「働く女性のリアルリポート」

働く女性のリアルリポート

2009年1月13日(火)

30代、先の見えない女たち

崖っぷちではまる、「自分探し症候群」

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 女性、36歳。この年齢を世間では、どう受け止めるのだろうか。責任のある業務を任され、仕事が面白くなってくる頃。または、結婚して子育てが一番忙しい頃…。同じ36歳の印象を、男性に尋ねたら、おそらくほとんどの人が前者になるのではないか。  

 私はまさに今、この年齢である。私は2つの中では前者に当てはまるが、だからといって必ずしも自分を「職業人間」と言い切れる自信もない。できれば結婚して、願わくば子供も授かりたいと思う。しかし、その際には一時的に仕事から離れるかもしれないし、その場合は復帰が難しいかもしれない。  

 「あなたは今、何をしていますか?」と問われた時に、何と答えるのだろうか。「会社員」、それともライターなど、職業で答えるのか。または、「主婦」なのか、「妻」、「母」であると感じるのか。女性の顔は、いくつもある。   

自分の「ポジション」を探す女たち

 この年齢の女性は、今の私と同じように「自分がピタリと納まるポジション」はないものか、と探している。結婚や出産という女性特有のライフサイクルによって、それぞれのライフスタイルも変化していかなければならない中で、女性は常に社会の中での居場所を求めているのだ。

 これまで30歳のラインを超えようとする女性は、「家庭か仕事か」という二者択一を迫られていたように思う。それは本人が自主的に選ぶ選択肢というよりは、暗黙のうちに、会社や社会から突きつけられた「0か1か」のような選択だったかもしれない。  

 ただ、そのラインも少し上がっているようだ。もしかすると、人や企業によってはそのラインが35歳であったり、40歳または45歳であったりするのかもしれない。  

 また、選択の幅もわずかながら増えている。今までは「二者択一」だったが、「働きながら家事や子育てもする」というパターンもある。いずれにしても、職業を持つ女性にとって、この選択は遅かれ早かれ直面しなければならない大きな決断の1つである。  

 かつて、女性は総合職として採用されることは少なく、大半の女性は一般職として就職していた。1972年に男女雇用機会均等法が定められた後、法律的には男女の隔てなく、職が得やすくなったが、現実には多くの女性が一般職として就職していた。現在は、女性でも総合職にも就きやすくなり、一般職は減少傾向にあるとも言われるが、その一般職に代わって派遣社員が増加している。つまりいわゆる事務を担当している女性の総数は、ほとんど変わっていないのかもしれない。  

 先般、私が最初に所属していた会社の同期会が10年ぶりに行われた。女性陣は30人近く集まり近況をお互いに報告し合ったところ、次の2つに分かれたのだ。まず、結婚して主婦業をしている、または子育ての真っ最中というタイプ。そしてもう1つは、結婚せずに仕事に専念しているタイプである。  

 集まった女性の年齢は、33〜36歳くらいの間。冒頭にも書いたように、仕事もちょうどあぶらの乗ってきた時期だし、子供がいればまだ小さくて手がかかる時期だから、仕事と育児の2つを両立している人が多くないだろうことは、容易に想像できる。しかし、1人もいないというのは、いささか疑問に思った。  

 私たちが最初に入社したのは元大手証券会社で、1990年代後半に倒産に追い込まれた。女性社員のほとんどは一般職採用で、総合職採用は2%くらいだったように思う。つまり会社が倒産した後の転職活動で、私たちの多くは、キャリアが一般職以外の何物でもなく、そこから総合職や専門職に就くのは、極めて困難な状況だった。  

 しかも、当時は金融不況。同業と言えるすべての金融機関はもちろん、社会全体の景気が冷え込み、とても人員を増やそうという環境ではない中、転職活動は困難を極めた。私たちはわずかな採用枠を狙って職を探した。そのような中で、景気の悪さと反比例して元気だったのが派遣業界。正社員としての枠をもらえず、派遣業に登録した女性も少なくなかった。

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著者プロフィール

谷本 有香(たにもと・ゆか)

谷本 有香

1972年生まれ。大妻女子大学を卒業後、証券会社(山一證券)、BloombergTVなどで金融経済アンカーを務めたのち、2004年に米国サンダーバード大学大学院でMBA(経営学修士)を取得。ファイナンシャルプランナー。現在、日経CNBCの金融経済キャスターを中心に、コラム執筆・講演などで活動中。

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