「深澤真紀の社会の“正しい歯車”として生きる!」

【5】本当に大事だと思うものに、お金を出そう

お金を使うことで、好きなものを守り、支持の表明にもなる

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2009年1月26日(月)

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 「不景気なので節約している」と言う人は多いでしょう。お金は大事に使うべきですし、無駄なお金は使わない方がいいのも当たり前です。

 しかしむやみに節約するのではなく、「大事なものにはお金を使う」ことも、重要なことです。「お金を使わないと経済が回らない」というだけではなく、お金を使わないと自分の大事なものを守ることができないからです。

本やソフトは「節約」されがち

 私は単行本の編集者を20年やっています。会社員時代には、パソコンのソフトウエアの会社にいたこともあります。そこで感じていたのが、読者やユーザーはハードウエアにお金を払うことは仕方ないと思っていても、ソフトウエアにお金を払うことは嫌だなと思っている、ということでした。例えば、20万円のパソコンは買っても、1万円のソフトはなかなか買いません。

 ソフトウエア会社にいた頃には、友人や知人がよく「ソフトをコピーさせて」と言ってきたものですが、「うちの会社はこれで食べてるし、そもそもソフトのコピーは著作権法違反だから」と断ると、「まじめ」「けち」という反応がほとんどでした。

 本も同様で、雑誌やテレビの情報番組で「節約」というテーマになると必ず、「本は図書館で借りる」とか「新古書店で探す」という話になります。

 パソコンやテレビなどのハードは、借りたりコピーしたりすることができませんから買わなければならない。だからせめて本やソフトは借りたりコピーしたりして節約したいという気持ちは分かりますが、皆が借りたりコピーしたりしていたら、そもそもソフトや本を作ること自体ができなくなります。

読者が経費のすべてを負担する単行本

 私が単行本の編集者をやろうと思った大きな理由は、単行本は「誰が費用を負担しているか」が、とても明確な商品だったからです。

 単行本の値段は、決して安いものではありません。それは読者(つまり消費者)が、「単行本を作る経費のすべてを負担している」価格だからです。

 著者の印税も、デザイン料も、スタッフのギャラも、用紙代も、印刷代も、新聞などに打つ広告料も、書店や取次の取り分も、すべてを読者が負担するのが単行本の仕組みです。

 これを「ビジネスモデルとしては古い」と指摘する人もいますが、「すべての経費を負担する読者のことだけを考えて作る」ところが、単行本というメディアのよいところだと思うのです。

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著者プロフィール

深澤 真紀(ふかさわ・まき)

深澤 真紀

コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長。1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立。日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内だけはなく世界で話題になる(『草食男子世代−平成男子図鑑』(光文社知恵の森文庫)に収録)。日経ビジネスオンラインの連載をまとめた『自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術』(光文社)、『考えすぎない生き方』(中経の文庫)、『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)など著書も多数。そのほかの連載に、「深澤真紀の平成働き女子のための処世術」、「深澤真紀の草食の時代」、「草食男子も悪くない」など。



このコラムについて

深澤真紀の社会の“正しい歯車”として生きる!

「社会の歯車になんかなりたくない!」…。そう思っている方もいるかもしれません。でも、“歯車になる”ことは本当にいけないことでしょうか。経営者でも、投資家でも、宗教家でも、芸術家でも、ビジネスパーソンでも、主婦でも、一人ひとりが社会を動かす歯車であることに変わりありません。そう思うと、私たちはこの社会で“正しい歯車”として生きれば、それで十分なのではないでしょうか。「自分をすり減らさない人間関係メンテナンス術」の深澤真紀が贈る、「メンテナンス術」シリーズの第2弾です。

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