「深澤真紀の社会の“正しい歯車”として生きる!」

深澤真紀の社会の“正しい歯車”として生きる!

2009年2月2日(月)

【6】「非常識な人だ」と思う前に、相手の「心のクセ」だと考えよう

イライラしても、相手を非難しないこと

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 私たちは誰かとトラブルがあると、つい「あいつは常識がないな」「普通だったら、ああいうことはやらないな」と思ってしまうことがあります。

 私もついそう思ってしまうことがありますが、相手の言動に対していちいちそう感じていると、結局は自分が嫌な気持ちになってしまうだけですし、相手にもこちらがそう思っていることは伝わってしまうものです。

人には誰でも「心のクセ」がある

 相手に対して「非常識だ」とか「普通はやらないのに」と思ってしまった場合は、「これはあの人の“心のクセ”なんだな」と思ってしまった方が楽なものです。

 私たちが誰かに愚痴を言う時には、「こういうことがあったの。普通だったら先に言うべきだよね」とか、「常識じゃ考えられないでしょ」などと言ったりします。しかしそう言っている自分も、誰かからそう思われていたりするものです。そして誰かから「非常識」だと思われていた場合、自分にもそれについての理由や言い分があるものです。

 このように「自分の常識は他人の非常識」「他人の常識は自分の非常識」に過ぎないことも多いものです。

 私たちは「常識」や「普通」にこだわって生きています。

 ちなみに常識とは「一般の社会人が共通にもつ、またもつべき普通の知識・意見や判断力」(『大辞泉』)、普通とは「特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。それがあたりまえであること」(『大辞泉』)です。

 私たちは、これらを守って生きることが「大人になること」であるとも思っています。もちろん、こう考えることは間違いではないでしょう。

 しかし私たち一人ひとりの経験は、それぞれで違うものです。今まで育った環境、出会った人、仕事の内容、読んだ本、見た風景、そんないろいろなものによって、その人の「常識」や「普通」は出来上がっているのですから、人と人が出会えばどうしても、常識も普通も相容れなくなりがちです。

 それは、人間同士が完璧には分かり合えないのと同じことですから、結局常識や普通は通じ合わないのだと、割り切った方がいいのです。

 このテーマになると、「日本語の“常識”は英語の“common sense”とは違う(だから日本は遅れている)」などと言う人がいますが、どんな国でも、common senseについて全員が一致することなどありません(ちなみに常識とは、common senseの訳語として明治時代から使われている言葉です)。

 また「“常識”より“良識”を」と言う人もいますが、「良識」もすべての人の見解が一致しているわけではなく、同じように「正義」も一人ひとりで解釈が違うのは当然のことです。

 自分と「常識」や「普通」や「良識」や「正義」についての解釈が違う相手に対して、私たちは否定したり、非難したり、直そうとしたりしてしまいがちです。そうしてしまう理由は、結局自分の中の常識や普通に自信がないためなのです。

 私たちは自分と違う価値観を持った相手を否定することで、自分の常識を補完したいと思ってしまうのです。

自分が困る他人の「心のクセ」にだけ、手を打てばいい

 相手の言動に対して「非常識」とか「普通ではない」と思った場合に、絶対に許せないのであれば、指摘してもいいのですが、しかしそこまでではない場合、相手がそういう言動をしてしまうのは、「心のクセ」とか「趣味」なのだと置き換えて考えられるようであれば、大騒ぎすることもないでしょう。

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著者プロフィール

深澤 真紀(ふかさわ・まき)

深澤 真紀

編集者・コラムニスト。企画会社タクト・プランニング社長。1967年東京生まれ、早稲田大学卒業。出版社を経て1998年にタクト・プランニング設立。書籍・雑誌・ウェブのプロデュース、若者・女性・食・旅などに関する執筆や講演を行う。著書に、『思わず使ってしまうおバカな日本語』(祥伝社新書)、『くらたまとフカサワのアジアはらへり旅』(理論社)、また、日経ビジネスオンラインの連載をまとめた『平成男子図鑑』(日経BP社)、『自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術』(光文社)がある。日経ビジネスオンラインでは、「深澤真紀の平成女子図鑑」、「深澤真紀の社会の“正しい歯車”として生きる!」、「草食男子も悪くない」なども連載中。


このコラムについて

深澤真紀の社会の“正しい歯車”として生きる!

「社会の歯車になんかなりたくない!」…。そう思っている方もいるかもしれません。でも、“歯車になる”ことは本当にいけないことでしょうか。経営者でも、投資家でも、宗教家でも、芸術家でも、ビジネスパーソンでも、主婦でも、一人ひとりが社会を動かす歯車であることに変わりありません。そう思うと、私たちはこの社会で“正しい歯車”として生きれば、それで十分なのではないでしょうか。「自分をすり減らさない人間関係メンテナンス術」の深澤真紀が贈る、「メンテナンス術」シリーズの第2弾です。

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