• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

【9】村上春樹の「卵と壁とシステム」

聞こえのいい言葉より、覚悟ある言葉を語ろう

  • 深澤 真紀

バックナンバー

2009年2月23日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 作家の村上春樹氏が、2月15日にイスラエルの文学賞「エルサレム賞」の授賞式で行った記念講演の内容が話題になっています。

 イスラエルでは3週間に及ぶ空爆を受けたガザの情勢も、「停戦」しているとはいえ予断を許さない状況で、村上氏はこの賞を受けることや授賞式に参加することで、「イスラエルの軍事政策を支持する印象を与えかねない」と多くの人から意見されたそうです。

 村上氏はその可能性も考えながらも、「欠席して何も言わないより話すことを選んだ」と決めたそうです。

壁と、そこにぶつけられる卵があったら

 このスピーチは英語で行われているのですが、多くのブロガーたちによって翻訳もされています。私も原文と翻訳を見て、非常に素晴らしいスピーチだと思いました。ここでは、重要な部分について私の抄訳を載せます。

 村上氏はスピーチの冒頭で、この賞を受賞し、エルサレムの授賞式に行くべきかどうか迷ったこと、そして多くの友人から「行かない方がいい」と言われながらも、あえて授賞式に出席してスピーチすることを選んだと話したあとで、こう語りました。

 もし固く高い壁と、それにぶつかって壊れてしまう卵があったら、私は卵の立場に立ちます。
 なぜなら、私たち人間は皆システムという高い壁に直面している卵だからです。
 私たち卵は、システムという壁に身をゆだねてもいけません。
 私たちがそのシステムを作ったのですから。

 ここでの「壁」は、イスラエルの軍事政権のことだけを指しているわけではありません。村上氏は、「壁に卵がぶつかって壊れてしまうシステムを作ったのも私たちだ」とはっきりと言っています。

 私たちは「卵」でもありますが、「壁」を作る「システム」の一員でもあるのです。卵が壊れないようなシステムをどう作っていくのかを、村上氏は私たちに問いかけたのです。

 現在のイスラエルで、こうしたシステムをきちんと批判するスピーチをすることは、受賞を拒否することよりも、欠席することよりも、困難で価値のある決断だったと思います。

 このスピーチの原文はこちらから、翻訳はこちらから読むことができます。

 ぜひ皆さんも、スピーチの全文をご覧になってみてください。

「ブレない」はいいことか?

 さて、このように熟慮と覚悟のうえで話される言葉もあれば、聞こえはいいけれど簡単に消費されてしまう流行語もあります。

 例えば最近の流行語の1つに「ブレない」というものがあります。「ブレない生き方をする」とか「彼の考え方はブレない」などと、よく使われるようになりました。

 「ブレない」ことは、そんなにいいことでしょうか?

コメント22

「深澤真紀の社会の“正しい歯車”として生きる!」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授