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【12】「力」よりも「術」を身につけよう

バランスを取った対処法を覚える

  • 深澤 真紀

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2009年3月16日(月)

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 「~力(りょく)」「~する力(ちから)」という言葉をタイトルにした本がたくさん出ています。例えば『鈍感力』(渡辺淳一、集英社)、『断る力』(勝間和代、文春新書)などは近年のベストセラーです。「地頭力」という言葉のついた本も多く出ています。ほかにも、「人間力」「女子力」などという言葉もよく聞きます。

 「~力(りょく)」、または「~する力(ちから)」のついた言葉の面白い例は、赤瀬川原平さんが1998年に同題の著書で提唱した「老人力」です。

 「老人力」とは、本書の紹介によれば「物忘れ、繰り言、ため息等、従来ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力」のことです。

 つまり著者の意図は、老人になってぼけたり物忘れが増えたりすることが面白いから、それを「老人力」と名づけて歳を取るのを面白がろう、という意味の言葉だったのです。

 しかしこれが流行語になったために、「力」の意味が曲解されるようになりました。新聞の投書欄には「老人力でゲートボールを張り切ってます!」「老人力で地域の子供のために横断歩道で誘導してます」などという投書が増え、「老いてますます盛ん、老人になってもますます頑張ろう」という文脈で使われるようになってしまったのです。

 もともとの意味とは逆の意味で流通するようになってしまったのですね。

「力」は敗者ありきの考え方

 つまり、「力」というと「よいこと」「前向き」「ポジティブ」というイメージになりがちなのです。

 ですから「~力」「~する力」という本が売れますし、例えば「人間力をつけなきゃ」「女子力をつけなきゃ」「地頭力をつけなきゃ」「交渉力をつけなきゃ」と、思ってしまうのです。

 「力」というタイトルの本を読もうと思うのは、「ひとり勝ちしたい」という欲望があるからかもしれません。

 他人を出し抜くために力をつけたい。「自分だけが交渉力をつけて勝ちたい」「自分だけが人間力をつけて人に先んじたい」という思いがあるのです。

 これは、自分のほかに負ける人がいなければ成り立たない考え方で、「弱い人ありきの強さ」と言えるかもしれません。

 そして「力」は手に入れると、用がなくても使ってみたくなるものです。例えば、私もそうだったのですが、長く仕事をしてきて少し交渉力がつくと、それを試すためだけに無駄な交渉をしたりします。

 「力」はこのように、人を出し抜いたり、人を巻き込んだりするものになりがちで、扱いが難しいものなのです。

 そもそも、自分に足りない部分があると気づいた時、人はマイナスをプラスに転じさせようとします。

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