未曽有(最近は、ミゾユウとかミゾーユと読むらしい)の世界的不況の中、活況なのはどうも婚活市場だけのようだ。「コンカツ」をタイトルにしたドラマもNHKとフジテレビ系の2本がスタートして、婚活のハウツーをどんどん紹介してくれているし、実際にお見合いパーティーや結婚情報サービスへの参加も増えている。
婚活ブームのうえに、さらに追い打ちをかけたのがリーマンショックだ。
「リーマンショック以降、20代女性が婚活市場に参入しています。どう思いますか?」という取材を、立て続けに受けている。実際に調べてみると、大手結婚情報サービスなどでも「婚活ブームで30〜40代の女性会員が増え、さらにリーマンショック以降、20代女性の会員が増えています」という。
合コンセッティングサービス会社も「婚活ブームで、女性の会員が激増して、今までイベントをやると6:4ぐらいの割合で男性が多かったのに、今は女性の数が上回った」と報告。「不況だから、早く結婚して安定したい」という女性たちの心理が、このような現象を起こしているのだろう。
これからの時代は「結婚=安定」ではない
しかし「結婚=安定」という図式は、これからの時代、かなり困難になりそうだ。リスクが多い時代だからこそ、2人で「リスクを分散」するためにカップルになるというなら、まだ分かるけど…。
しかし、日本で戦後長らく続いた「男は仕事、女は家庭」の「役割分担夫婦」以外のロールモデルをまだ見いだせないのが、現代の迷える婚活男女である。アラフォー世代で、「対等夫婦」として頑張っているところはあるが、下の世代から見ると「大変そう」「ストレスが多そう」と見える。「頑張っているのに、報われていない」ように見えてしまうのが、先駆者であるアラフォー世代のつらいところ。
「対等な夫婦は幸せではない」という調査結果もある(『対等な夫婦は幸せか』勁草書房 )。そんな上の世代を見て、20代女性の専業主婦志向は強まっている。さらに「専業主夫になりたい」と言う男子学生まで出てきている。
でも、これからの時代、専業主婦は「リストラの心配」「会社の倒産危機」「離婚の可能性」の「リスク3重奏」を抱えることになる。
どこかに、幸せな「対等夫婦モデル」はいないだろうか?
そこで思い出したのが、以前にもこのコラムに登場してもらったワークライフバランスカップルT夫妻(ともに20代、妻が2歳年上)。専門職の2人は同じ会社で働き、給料は同額、家事も互いに協力している。家事分担が不公平にならないようにするコツは、「“よーいドン”で一緒に家事をし、しない時は一緒にダラダラする」というものだそうだ。
一緒に働き、一緒に家事をし、一緒にダラダラする。…実にバランスのいい仲良し夫妻で、知っている限り最もストレスがない「対等夫婦モデル」である。
2人に子供が生まれて、約10カ月になる。「子供が生まれたら、自分の中のOS(基本ソフト)を入れ替えないといけない」と、父親支援のNPO法人(特定非営利活動法人)、ファザーリング・ジャパン代表の安藤哲也氏も言っている(参考記事はこちら)。子供が生まれた後の、2人のワークライフバランスはどうなったのか?
一時期でも、「片方が育児、片方が仕事」と、2人のバランスは大きく違ったものになるはずだ。理想のワークライフバランスの行方が気になって、久々に2人を訪ねてみた。
「実は妻が陣痛の時に、僕も腰が痛くなって苦しんだんですよ」と、のっけから驚きの出産体験を語ってくれた夫のS氏。つわりがうつる、という話は聞いたことがあるが、「妻の陣痛がうつった夫」の話は初めて聞いた。妻が苦しめば夫も苦しむ…。どこまで「対等」な夫婦なのだろうか?
出産後は、妻Tさんが産休を取得した後に職場復帰して、その後3カ月の育児休業を取得したのは夫のS氏である。
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