「深澤真紀の平成女子図鑑」

【22】「武勇伝女子」と「委員長女子」

はねっかえりでもいい子でも、しょせん「女の子」扱い

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2009年5月29日(金)

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 東京・赤坂の檜町公園で酒に酔って全裸で騒いだため、公然わいせつ容疑で現行犯逮捕され、活動を自粛していたSMAPの草なぎ剛が、不起訴処分を受けて、1カ月余りで仕事に復帰します。

自分で自分を笑う「武勇伝女子」

 この事件を巡って、いろいろな反応がありました。
 一番多かったのは、「深夜の公園で全裸になったくらいで、逮捕や家宅捜索は厳しすぎる」というものでした。この声が多かったために、早い復帰となったようです。

 さらに、「私なんか同じ公園で昔、もっとすごいことをした」と書く女性作家がいたり、「男なんて飲んだら脱ぐもんだ」とか、「私だって酔うと脱ぐ」と言う女性も出てきました。

 こういう女性を「武勇伝女子」と名づけます。

 ちなみに私は酒を全く飲まないので、「酔っぱらいのやったことなんか大目に見ろ」という意見そのものがあまり好きではありませんが。

 とはいえ、私もそれ以外の武勇伝はついつい話したくなってしまいます。

 このような女性による武勇伝が増えた背景には、「セックス・アンド・ザ・シティ」などによるガールズトークが増えたことと、「だめんず」(編注:下記の『だめんず・うぉ〜か〜』に登場する「だめんず(ダメな男)」とばかりつき合ってしまう女のこと)、「負け犬」など、女性が自分自身を面白く語れる言葉が生まれたということがあります。

 それまでは、例えば、いつまでも結婚しない女性を語る言葉は、「オールドミス」だの「いきおくれ」だの「老嬢」だの、男性が女性を揶揄するものが多かったものですが、最近では自分で自分を笑うことができる女性コラムニストや女性漫画家などが増えてきたのです。

 例えば、漫画『だめんず・うぉ〜か〜』(倉田真由美著)は2000年から始まり現在も連載が続いていますし、『負け犬の遠吠え』(酒井順子著)は2003年刊行のエッセイで、それぞれベストセラーになりました。

 これらは書き手本人が、自分自身や自分の周囲の女性を「だめんず」や「負け犬」と思って書かれたものです。

 バブル期にも女性の武勇伝はありました。

 しかしそれは「武勇伝」と言うよりは、「誕生日にはバラの花束を何人もの男からもらったものよ」とか「毎日毎日、デートの誘いで大変だったわ」とか、「直球の自慢話」でした。

 武勇伝と言うより、“もて自慢”と言った方がいいかもしれません。

 しかし、だめんず、負け犬という言葉が生まれ、ガールズトークや、お笑いが流行っている今では、女性が自分で自分を笑う武勇伝を口にするようになったのです。

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著者プロフィール

深澤 真紀(ふかさわ・まき)

深澤 真紀

コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長。1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立。日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内だけはなく世界で話題になる(『草食男子世代−平成男子図鑑』(光文社知恵の森文庫)に収録)。日経ビジネスオンラインの連載をまとめた『自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術』(光文社)、『考えすぎない生き方』(中経の文庫)、『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)など著書も多数。そのほかの連載に、「深澤真紀の平成働き女子のための処世術」、「深澤真紀の草食の時代」、「草食男子も悪くない」など。



このコラムについて

深澤真紀の平成女子図鑑

今の時代を女として生きるのは、幸せでしょうか? それとも、大変なことでしょうか? 「何が何でも男に奢られたがる女子」「女性誌に踊らされる女子」「世間のことは分からないけど、社会のことは分かっている女子」「笑いに生きる女子」…。平成にもいろいろな女子が生きています。自著『平成男子図鑑』で「草食男子」「リスペクト男子」などを「発見」した深澤真紀が、満を持して「平成女子」の姿を語ります。

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