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違法な「BOT」の横行と、「BOT狩り」の恐怖

  • 北湯口ゆかり

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2009年6月1日(月)

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 アミが、仲間と狩り(注1)を楽しんでいた時、突然現れた不審なプレーヤー。攻撃範囲内にいる敵に次々と攻撃をしかけ、他のプレーヤーが戦っている敵も、横殴りで奪い取る。その正体は「BOT(ボット)」と呼ばれる、自動制御されたキャラクターだった。

 BOTによる無言の横行はプレーヤーの神経を逆なでし、プレーヤーのBOTへの嫌悪感は増幅されていった。

 そんなある日、アミの周囲である事件が起こった…。

※文中に登場するゲーム用語については、文末のゲーム用語解説も併せてご覧ください。

 前回も紹介した通り、意志なきキャラクター「BOT」が、プレーヤーに与えてしまう影響は想像以上に大きい。

 プレーを妨害されることに対する不快感。交流が成り立たないことによる虚無感。楽しいはずのゲームを台無しにされたストレスは、プレーヤーの悪感情を刺激する。

 さらに匿名性の高いネット上では、疑心暗鬼がつきものだ。疑う心は、人の感情をたやすくネガティブに変える。冷静な判断力がにぶり、思い込みから生まれた仮説が、噂となってプレーヤーに蔓延していく。あたかもそれが「真実」であるかのように。そして、思わぬ方向に波紋を広げていくのが常だ。

プレーヤー自身がBOTを「狩る」

 BOTは違反行為なので、見つけた場合は運営会社に報告して対処を願い出るのが正攻法だ。しかし運営会社としても、報告だけで安易に処罰するわけにはいかない。「該当キャラクターが違反行為をしている」という証拠を見つけるまでは、慎重な調査が必要だ。

 そうこうするうちに、プレーヤーに疑いが生じる。運営会社は、本当にBOTの調査を進めているのか。放置しているようにしか見えないのは、そもそも運営能力に欠けているのではないか。あるいは、BOTを黙認しているのではないか?

 解決を待ちきれなくなったプレーヤーは苛立ち、運営会社に不信感を持つようになる。そのうちにゲームから離れていく人もいるが、怒りが収まらない一部のプレーヤーは、自分たちの手でBOTを止めようと考え始めた。

 オンラインゲームでは、ゲームに緊張感と刺激を与える要素として、プレーヤー同士が戦う「対人戦」を取り入れることが多い。その1つに、PK(Player Kill)(注2)がある。通常、プレーヤー(が操作するキャラクター)の攻撃対象はモンスターだが、PKが可能なゲームでは、他のキャラクターを攻撃できるようになる。モンスターでないキャラクターを攻撃し、死亡(戦闘不能状態に)させることができるのだ。

 この仕組みを利用すれば、「気に入らないキャラクターを倒し、強制的にその場から立ち去らせる」ことができるわけだ。

 聞く耳を持たないBOTには言葉は通じない。ならば実力行使しかない。BOTに直接戦いを挑み、倒すことで強制的に狩りを止めさせるのだ。

 やがて、プレーヤーによる「BOT狩り」が行われるようになった。

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