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仮想恋愛をネットで「お膳立て」されて、ドロ沼に

オンラインゲームでその気にさせられた恋人たち

  • 北湯口ゆかり

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2009年6月8日(月)

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 オンラインゲームに取り入れられた「カップルシステム」により、ゲーム内には数々の「恋愛パートナー」が誕生していた。

 カップルの数だけ様々な恋愛ドラマが生まれる。ある日アミに語られたのは、水面下で進行していた、ギルドメンバー同士のドロ沼な恋愛劇だった。

 インターネットを介した恋愛は、もはや珍しいことではなくなった。縁あって男女が知り合い、交流を重ねるうちに、やがて恋愛関係に発展する。そのプロセスにおける、最初のきっかけの1つに過ぎない。

   そう考えれば、オンラインゲームが男女の出会いの場になることも、容易に想像できる。知り合った当初は顔すら分からない他人同士でも、ネット上の会話を通じて気持ちを寄せ合い、相手に素性を明かして実際に顔を合わせ、現実でのつき合いを始めることは、十分考えられる話だ。

 しかしオンラインゲームは、そうした「ネット恋愛」とは少々異なる側面も兼ね備えている。ゲームを楽しむための一要素として「恋愛をお膳立てされる」場合があるからだ。

プレーヤー間の「出会い」を推奨するシステム

 近年、「カップルシステム」を取り入れるオンラインゲームが増えてきた。これは、基本的にはプレーヤー間のコミュニケーションを円滑にするための機能として位置づけられている。

 主な仕組みは、こうだ。まず、男性キャラクターと女性キャラクターがペアになり、指定された条件を満たすべく、行動を共にする。条件がクリアできれば2人は「恋愛パートナー」の間柄になる。

 パートナーを得たキャラクターは、様々な特典が与えられる。その詳細はゲームによって異なるが、専用の特別アイテムがもらえたり、限定クエストを請けられるようになる、経験値が増えるなどが一般的だ。

 その結果ゲーム内には、特典を目当てに、お互いの素性も知らないまま恋人のふりを演じる「かりそめのカップル」が続々と誕生する。いわば「契約パートナー」だ。

 このシステムのからくりには続きがある。特典の多くは「パートナーと行動する」ことで得られる仕組みになっているのだ。パートナーを得たキャラクターは、必然的に自分が選んだ相手と行動を共にするようになる。

 すると不思議なもので、最初は「契約パートナー」でも、共有する時間が長くなるにつれ、親近感が生まれてくる。ゲーム上とはいえ、絶えず誰かが側にいてくれることを嬉しく思い、相手にとって自分は必要な存在であることを意識するうち、お互いがだんだんと特別な存在になっていく。

 さらに、近年の主流スタイルである3Dオンラインゲーム(注1)には「エモーション(通称エモ)」と呼ばれる感情表現機能があり、キャラクターに喜怒哀楽や「手を振る」「座る」「拍手する」などの仕草をさせることができる。

 文字での会話とエモを併用することで、お互いの感情を効果的に伝え合えるようになっている。そして、「恋愛パートナー」専用のエモとして、「抱き合う」「キスする」「お姫様だっこ」などの、より恋愛気分を満喫できるエモも用意されている。まるで本物の恋人同士になったかのような雰囲気を味わえるわけだ。

 ゲームシステムが推奨しているのだから、プレーヤーは大手を振って「恋愛ごっこ」を楽しみ始める。現実を離れた異世界の中で、自他共に認められた恋人同士。いつしか、相手の反応をうかがったり、ドキドキ感を楽しみながら、自分たちだけの恋愛ドラマを作っていくようになる。

 これだけお膳立てが整えば、「疑似恋愛」も「本気の恋愛」と見分けがつかなくなる。「恋人のふり」を演じていたはずが、いつしか「その気」になってしまう場合も多い。

(イラスト:佐藤 末摘)

コメント6件コメント/レビュー

長年MMOをやっていますが、自分の周りでも苦い事例がありました。元々ギルドの古参メンバーだった男性が、ある日彼女をゲームに誘い込みました。最初は身内で地味にプレイしていたものの、後に別のギルドの男性と知り合い、ギルド移籍→オフ会→現実世界でも浮気→破局。それだけならまだしも、彼女はこれらの出来事を自らblogに公開していたため、サーバ内で尻軽女のレッテルを貼られてしまいました。散々酷い晒しにも遭っていますが、完全に自業自得です。そしてこのような事例は、mmoをやっている人なら一度は耳にしていることでしょう。ネットリテラシーをあまり意識しない層(2ch等でネットの怖さを思い知っていない層)は、mmoを始める際に特に気を付けるべきですね。(2009/06/09)

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長年MMOをやっていますが、自分の周りでも苦い事例がありました。元々ギルドの古参メンバーだった男性が、ある日彼女をゲームに誘い込みました。最初は身内で地味にプレイしていたものの、後に別のギルドの男性と知り合い、ギルド移籍→オフ会→現実世界でも浮気→破局。それだけならまだしも、彼女はこれらの出来事を自らblogに公開していたため、サーバ内で尻軽女のレッテルを貼られてしまいました。散々酷い晒しにも遭っていますが、完全に自業自得です。そしてこのような事例は、mmoをやっている人なら一度は耳にしていることでしょう。ネットリテラシーをあまり意識しない層(2ch等でネットの怖さを思い知っていない層)は、mmoを始める際に特に気を付けるべきですね。(2009/06/09)

ネトゲ恋愛を煽り立てるような話ばかりが目立つ中、こういった注意をうながす記事は大切だと思います。とはいえ警戒しすぎて迂闊にリアルについて話せない、ということになっても窮屈ですし。難しいものですね。(2009/06/09)

ネットゲーム未体験の方は、ゲームの中ではゲームの話だけをすればいいのに、と思われるかもしれませんが、ちょっとした会話や活動時間帯などから素性がばれたり、ネットコミュニケーションの経験が少ない人がうっかり素性を話してしまう事は良くあるものです(ある程度オープンにしてる人もいますが)。この例はストーカー化した男性とそれに困惑する女性、という話ですが、例えば女性の振りをした男性プレイヤーに他の男性プレイヤーが振り回される例や、さらに男性キャラクターで遊んでいる女性プレイヤーに別の女性プレイヤーが恋愛感情を持つ例など、ある意味混沌とした世界だったりしますが、これも顔が見えないためにゲーム内の行動と言葉がダイレクトに心に響くためなのでしょう。(2009/06/08)

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