「深澤真紀の平成女子図鑑」

【26】「森ガール」と「農ギャル(ノギャル)」

ガーリー・乙女・ギャル文化の現在

バックナンバー

2009年6月26日(金)

1/3ページ

印刷ページ

 「森ガール」をご存じですか?

 「森にいそうな女の子」を指す言葉で、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のmixi(ミクシィ)で「森ガールコミュニティ」の管理人を務めるchoco*さんが、友人に「森にいそうな格好だね」と言われたことから生まれました。

 森ガールコミュニティは2006年8月に開設され、今や3万5000人余りを集める人気コミュニティーですが、森ガールが話題になったのは、2008年あたりからです。

 ちなみに私が名づけた「草食男子」は2006年10月にこのサイトで発表し、2008年から話題になってきたので、言葉の広がり方がちょっと似ています。一方で、森ガールと草食男子が違う点は、森ガールは当事者による名づけであることです。

「ゆるい感じ」がキーワードの「森ガール」

 森ガールの定義は、森ガールコミュニティのトップページに60以上載っていますので、そこから抜粋します。

 ゆるい感じのワンピースがすき/シンプルよりどこかくせのある服がすき(でも派手派手してるのはそんなにすきじゃない)/素材にはこだわりたい/ちいさな子が着るようなワンピースもすき/短いネイルのほうが落ち着く/ニットやファーで、もこもこした帽子がすき/古いものに魅力を感じる/レトロな花柄すき/レースがすき/タイツ・レギンスがすき/靴は基本ぺたんこ/マフラーもストールもぐるぐるまきにしたい/重ね着すき/童話がすき/色白/ゆるいパーマをかけている/ロリータとはちがうの/ガーリー/カフェでまったりするのがすき/カメラ片手に散歩をするのがすき/雑貨屋さん巡りをついついしてしまう/すきなものはついついコレクションしちゃう、コレクター/本屋さんでかわいい本を見つけると嬉しい/手作りがすき/やわらかい雰囲気がでてるおんなの子/透明感のあるおんなの子/つねにゆるい雰囲気をだしている/森ガールファッションはロリータ系・姫系・お姉さん系・お嬢様系・全身ナチュラル系・チョキチョキ系とは異なります。


 なんとなく、イメージがわくのではないでしょうか。

 女性誌の「別冊spoon.」(角川グループパブリッシング)では、女優の蒼井優を表紙にして、森ガールのファッションとカルチャーを紹介する「森ガールA to Z」を出版し、話題になりました。

 その蒼井優が映画版で演じたマンガ『ハチミツとクローバー』(羽海野チカ著)の主人公、はぐちゃん(天然不思議ちゃん風の美大生)も、森ガールの象徴と言われています。
 
 かつて消費社会研究家の三浦展が名づけた「かまやつ女」(公式サイトによると「最近、原宿や下北沢でみかける、帽子をかぶった女子。古くさい、おじさんみたいな帽子で、髪型ももっさりしていて、服装は楽ちん風。まるでかまやつひろしのような風貌が特徴だ。」)も、森ガールにちょっと似ています。

 ただ、若い世代がかまやつひろしをよく知らないことや、当事者たちからの受けの悪いこともあり、この言葉はあまり浸透しませんでした。

ガーリー、乙女、自然派

 森ガールは「ガーリーブーム」の流れも受け継いでいます。
 ガーリーとは、「少女らしい状態や、女性が惹かれるもの全般を俗に言う語。ファッション・アート・その人自身などを通して表現される。1990 年代中盤のアメリカで発祥した考え方。「−スタイル」〔少女(girl)をもじったもの。蔑称のgirlieと区別されることが多い〕」(大辞林より)という意味(ちなみに蔑称のgirlieとは売春婦のこと)です。

ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。



関連記事

Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)

Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
内容は…
この記事は…
コメント2 件(コメントを読む)
トラックバック
著者プロフィール

深澤 真紀(ふかさわ・まき)

深澤 真紀

コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長。1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立。日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内だけはなく世界で話題になる(『草食男子世代−平成男子図鑑』(光文社知恵の森文庫)に収録)。日経ビジネスオンラインの連載をまとめた『自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術』(光文社)、『考えすぎない生き方』(中経の文庫)、『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)など著書も多数。そのほかの連載に、「深澤真紀の平成働き女子のための処世術」、「深澤真紀の草食の時代」、「草食男子も悪くない」など。



このコラムについて

深澤真紀の平成女子図鑑

今の時代を女として生きるのは、幸せでしょうか? それとも、大変なことでしょうか? 「何が何でも男に奢られたがる女子」「女性誌に踊らされる女子」「世間のことは分からないけど、社会のことは分かっている女子」「笑いに生きる女子」…。平成にもいろいろな女子が生きています。自著『平成男子図鑑』で「草食男子」「リスペクト男子」などを「発見」した深澤真紀が、満を持して「平成女子」の姿を語ります。

⇒ 記事一覧

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事

  • いま、歩き出す未来への道 復興ニッポン

日経ビジネスからのご案内