「深澤真紀の平成女子図鑑」

【28】「痛い」と言われたくない女子、「かわいい」と言われたい女子

根拠のない評価が女たちを追い詰める

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2009年7月10日(金)

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 女性にとって、いま人から一番言われたくない言葉。
 それは「痛い」でしょう。

 「日本語俗語辞書」にはこのように説明されています。

痛い 【年代】 2000年  【種類】 若者言葉

痛いとは、他人の的外れな言動に対する「恥ずかしい」「情けない」「気の毒に」などの気持ち。
痛いは通常、自身の体(又は心)の痛みをうったえたり、人の身体の痛みを問いかける際に使われる。この痛いが平成に入り、人の言動に対して用いられるようになる(この場合、イタイ・イタいといったカタカナ表記も使われる)。痛いが用いられる主な言動として、勘違い・場違いなどの見当外れな言動、人が不快・不満に感じる言動など、「恥ずかしい」「情けない」「みっともない(不様)」に通じるものである。また、「痛い子」「痛い話」「痛いサイト」など、後ろに対象を付けて使われることが多い。


 ことに女性は、「いい年して若ぶって痛い」と言われたり、「今日のこの格好、派手すぎて痛い?」と自分で言ったりします。

 自分の年齢やキャラクターに合わない行動などをして、「痛い」と言われたり思われることを恐れているのです。

 私のところにも女性誌から、「30歳過ぎて痛くならないようにするにはどうすればいいですか?」という取材がきます。例えば、「30過ぎても痛くならずにかわいい女子になる」とか「痛くない素敵な女性になる」などというテーマです。

 しかし「かわいい」や「素敵」にこだわりすぎて、「素敵と思われたい」や「かわいいと思われたい」という欲望が行き過ぎると、かえって「痛い」に振り回されてしまうのです。

 そして、「痛い」と思われないように気を遣うことはとても疲れるものです。

他人の「痛い」探しは自分に返ってくる

 「痛い」に振り回されないためには、「他人の『痛い』探しをしない」ことです。

 他人の「痛い」ところを探すのは面白いものです。しかし「痛い」を採集しすぎると、自分の中に「痛い」のストックが増えてしまいます。

 例えば芸能人や自分の周囲に「痛い」人を探して、「あの人よりは私の方がましだなあ」と思っていても、「痛い」という言葉はインパクトが強いので、「痛い」を探しすぎるとそちらの世界に引きずられてしまうのです。

 ですから他人の「痛い」も見ないようにして、「痛い」を採集して「ガールズトーク」で発表したりしないことです。誰かを「痛い」と評して溜飲を下げても、いずれそれは自分に返ってくるだけです。

 では、「かわいい」や「素敵」を採集することはよいのでしょうか。
 しかしこれらの採集もとても難しいものです。

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著者プロフィール

深澤 真紀(ふかさわ・まき)

深澤 真紀

コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長。1967年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。卒業後、いくつかの出版社で編集者をつとめ、1998年、企画会社タクト・プランニングを設立。日経ビジネスオンラインで2006年に「草食男子」や「肉食女子」を命名、「草食男子」は2009年流行語大賞トップテンを受賞し、国内だけはなく世界で話題になる(『草食男子世代−平成男子図鑑』(光文社知恵の森文庫)に収録)。日経ビジネスオンラインの連載をまとめた『自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術』(光文社)、『考えすぎない生き方』(中経の文庫)、『女はオキテでできている―平成女図鑑』(春秋社)など著書も多数。そのほかの連載に、「深澤真紀の平成働き女子のための処世術」、「深澤真紀の草食の時代」、「草食男子も悪くない」など。



このコラムについて

深澤真紀の平成女子図鑑

今の時代を女として生きるのは、幸せでしょうか? それとも、大変なことでしょうか? 「何が何でも男に奢られたがる女子」「女性誌に踊らされる女子」「世間のことは分からないけど、社会のことは分かっている女子」「笑いに生きる女子」…。平成にもいろいろな女子が生きています。自著『平成男子図鑑』で「草食男子」「リスペクト男子」などを「発見」した深澤真紀が、満を持して「平成女子」の姿を語ります。

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