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どれだけ絞り込めるかで「常識突破」が決まる

(第3回)決めることは捨てること。「重要思考」で決めて伝えよう

  • 三谷 宏治

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2012年1月17日(火)

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 「常識」を超えた発想を生み出すために、このコラムではこれまで

・「常識」の3つの側面(誰・価値・コスト)とその打破例
・常識打破のための行動法(探す・試作する)とその実例

を紹介してきました。

 特に前回は、

・発想とは、手足を動かしてのアイデア「発見」、思い切っての「選択」、なぜを繰り返す「探究」、そこからの「組み合わせ」
・常識が「発見」を恐怖が「選択」を満足が「探究」を阻害する

 と述べました。多くの女性が持つ思慮深さやコミュニケーション力が、ときにマイナスに働く、とも。

 最終回では、「選択」を取り上げます。いくら多くのアイデアを作っても、それをぐっと絞り込んで深掘りしていかないと、良い商品や事業にはなりません。でも多くの会社が失敗します。

 良い商品・事業を新たに創り上げていくためには、驚くほど多くの資源や時間を必要とすることを、分かっていないのかもしれません。

スティーブ・ジョブズから学べる唯一のこと

 米アップルの前CEO(最高経営責任者)だったスティーブ・ジョブズを真似ることは、ほとんどのヒトに不可能です。あれだけ独創的で、独裁的で、成功と失敗を繰り返した人物はいないでしょう。彼のことを「とてもアメリカ人的」と思うかもしれませんが、人口3億人のアメリカにだって、彼は1人しかいなかったのです。

 でも、ジョブズの成功で真似られることが1つあるとすれば、それは「絞り込み」です。

 アップルを一企業として見た時、製品戦略上の最大の特長は、製品ラインおよびバラエティーの極端な「少なさ」なのです。iPodにはカラーやタイプにおいて多少のバラエティーがありますが、iPhoneやiPadだとタイプは一種で「黒白」と「記憶容量」のバラエティー(16GB、32GB、64GBとか)があるだけ。製品ラインナップ(ブランド)も、メーンはたった6種類 。年間1000億ドル(約8兆円)を売ろうかという会社にしては極端に少ない数です。

 ジョブズは言いました。「どれだけ良いアイデア(good ideas)を殺せるか(kill)が勝負だ」と。

 画期的な商品やサービスを開発・導入するには、非常に大きな労力と資金、そして経営者(ジョブズ自身)の時間・関心を必要とします。でも「good idea」案件のすべてにそれらを投ずることはできません。もしすれば、きっと全部失敗するのでしょう。

 だから彼は、極端に絞り込んだのです。製品ライン、タイプ、バラエティーをも。

グッチの再生も、極端な絞り込みから

 グッチも、同じです。創業一族間の泥沼の争いとコピー商品との戦いに敗れ、1991年に赤字に転落。93年には給与の遅配にまで至り、倒産さえ噂されました。

 創業一族が去った後のグッチを救い、再生させたのがCEOとなった弁護士のドメニコ・ド・ソーレ(Domenico De Sole)と、若きデザイナーのトム・フォード(Tom Ford)、それに小売り界から引き抜かれたカリスマ、ドーン・メロ(Dawn Mello)でした。

コメント4件コメント/レビュー

コメントへのコメントになりますが,VWの販売台数は"グループ"での台数のようです.VW自らがVWグループと読んでいる範囲には8ブランド程度あったはずです.だからと言って,日本のメーカーの車種が多いのは否定できないですが.数字とその根拠は正確に把握しないと,6種類の製品で年間1000億ドルもの売上を達成している印象を与えるこの記事のようなミスリーディングの原因になるかと思います.(2012/01/18)

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コメントへのコメントになりますが,VWの販売台数は"グループ"での台数のようです.VW自らがVWグループと読んでいる範囲には8ブランド程度あったはずです.だからと言って,日本のメーカーの車種が多いのは否定できないですが.数字とその根拠は正確に把握しないと,6種類の製品で年間1000億ドルもの売上を達成している印象を与えるこの記事のようなミスリーディングの原因になるかと思います.(2012/01/18)

フォルクスワーゲンの車種も少ないですよね。でも、世界で800万台売っている。トヨタも同様の売り上げ台数だけれども車種の多さといったら。カローラだけでも数種類。日産、ホンダも車種が多いが800万台も売れない。利益率の違いがそれだけでも簡単に想像できる。つまり、いいものを作れば売れる。自信がないからたくさんの種類を作って頻繁にモデルチェンジする、ということでしょうか。携帯電話もしかり。ウームな日本。(2012/01/17)

次の連載も楽しみにしています。(2012/01/17)

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三品 和広 神戸大学教授