米タイム誌が選んだ2011年の“Person of the Year”は“The Protester(抗議する人)”だった。中東の「アラブの春」や、ギリシャやスペインなどでの民衆デモに触発され、米国では昨秋以降“Occupy”運動が広がっている。今回はこの「Occupy Wall Street」運動、日本では反格差運動と伝えられる動きに関連する表現に注目したい。
そもそもoccupyにはどのような意味があるのだろう。“Occupy Wall Street”が一般的に「ウォール街を占拠せよ」と訳されているとおり、基本的にはある場所を占拠する、ふさぐという意味だ。ただ、筆者が在籍するモントレー国際大学院(MIIS)の英語ネイティブの学生に聞いたところ、「物理的に場所をふさぐだけでなく、take control(支配権を握る)という意味もある」と解説してくれた。
つまり“Occupy Wall Street”は、単に大勢の抗議者でウォール街を埋め尽くそうと言っているのではなく、カネの力で米国の政治を思うままに動かすウォール街を、自分たち民衆の支配下に置こうという訴えでもあるのだ。
Occupy運動は、日本のメディアでは「格差抗議デモ」と表記されることが多い。実際、二ューヨーク・タイムズなど米主要紙の記事では「格差」を意味するinequality/ gap/ disparityといった表現をよく目にする。では、この3つの言葉には、どのような違いがあるのだろうか。
「数値」の差か「認識」の差か
MIISの学生数人に議論してもらったところ「gapというと数値で測れるような物理的な差があると言っている印象。一方のinequalityは平等ではないという『認識』を示している印象」という声が挙がった。gapは「格差がある」という事実を淡々と指摘する言葉であるのに対し、inequalityは格差があり、それが不公平だという価値判断を含んでいるというわけだ。
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