「メンタルリスク最前線」

苦戦強いられる40代の転職にアドバイス

会社の規模にこだわらず、専門性いかせる職場を選ぶ

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2012年2月9日(木)

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 これまでの連載では、メンタルヘルス面に重きを置いてきたが、今回は産業カウンセラーの仕事の1つであるキャリア・カウンセリングについて紹介したい。ここではキャリア・コンサルティング、すなわち人材採用・就職の支援業務を中心に取り上げる。

 大量採用時代に入社し、生き残りをかけ社内外で苦戦を強いられている40代の会社員の現状を事例で紹介しながら、問題点を明らかにしていこう。

 産業カウンセラーTさんは、人材採用の会社の代表をしている40代の男性だ。人材採用支援業務と言われても、どんな仕事かわからない人がほとんどだろう。

 Tさんの仕事を、わかりやすく言うと、企業の経営資源(ヒト・モノ・カネ)の「ヒト」に関する仕事だ。人材の採用と復職支援、そのための教育も含まれる。

産業カウンセラーTさんの場合

 産業カウンセラーTさん自身、リストラされた経験がある。現在の復職支援業務を始めるきっかけになったTさんの体験を紹介しよう。

 Tさんは、以前勤務していた会社で15年間営業に従事していた。自主異動希望制度を利用して、関連会社へ異動した。2年間で人事の一連の流れ・採用のノウハウを習得した。異動希望先が、関連会社の再就職支援事業部だったのが、Tさんのその後を暗示しているようだ。

 その後、本社に戻るか異動先の関連会社に移籍するかの決断を迫られ、本社へ戻る道を選んだことが裏目に出て、リストラの対象となり、自主退職へと追い込まれることになる。初めての退職だった。

 「居ても居なくてもいいと上司から言われた」と、Tさんは苦笑しながら話す。

 不安だったが、採用や人事に関する能力を生かせる仕事が自分に合っていると思い、知り合いの会社役員に自分を売り込んだ。その会社で採用業務を担当したことが、現在の採用コンサルティングの仕事を始めるきっかけになった。Tさんは大学でキャリアデザインの講師も務めている。就職活動している学生と企業の架け橋の役目を担う場合も多い。

自分は社会に必要とされていないのか

 Tさんが関わった再就職の例を挙げる。

 Aさんは大手電機メーカー勤務で、仕事の内容は機械設計だった。家族は妻と子供の4人。48歳のときに出向の辞令が出た。ラインからはずれ、自分がリストラ対象になっていることに気がついた。2年間、出向先に勤務するが、もう戻る場所はない。Aさんは、転職の覚悟をした。1度目の覚悟だった。

 早期退職で退職加算金なども得て退職したので、金銭的に困ることはなかった。家族の応援もあり、メンタル面でのダメージもなかったと言える。

 退職前に勤務先で紹介された再就職支援会社で就職活動をするがなかなか希望職種への内定がもらえない。これまでに経験したことのない介護や福祉の企業にも就活の間口を広げて、様々な会社を回った。しかし、“適材不適所”だ。無茶な就活だった。

 「こんなにも社会は自分を必要としていないのか」。Aさんは大きな挫折を経験した。そんな時、出会ったのが、産業カウンセラーのTさんだった。

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著者プロフィール
太田 由紀子(おおた・ゆきこ)

産業カウンセラー
社団法人 日本産業カウンセラー協会 東京支部 広報・会員部

社団法人 日本産業カウンセラー協会
厚生労働省職業能力開発局所管の公益法人で、産業カウンセリングの普及や、働く人びとを支援する産業カウンセラーの養成、認定試験などを手がける。一方で、企業、行政、団体等でメンタルヘルス推進、キャリアカウンセリング、人間関係開発などの講師、カウンセリング等を通して働く人の支援を行っている。1960年に発足し、1970年に社団法人化した。全国に13カ所の支部と県事務所があり、2万5000人を超える会員がいる。ホームページはこちら

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