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「公平感」という使いやすい正義

オバマ演説にみる米国人のfairnessとは?

  • 土方 奈美

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2012年2月15日(水)

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 2012年1月24日、オバマ米大統領は議会で国の現状や主要な政策課題を訴える、一般教書演説 (State of the Union address, SOTU)をした。

 オバマ大統領は歴代大統領の中でも有数のスピーチの名手として知られる。筆者が通うモントレー国際大学院(MIIS)で、長年スピーチを指導するマイケル・ジェイコブズ教授は「ナンバーワンはクリントン元大統領、オバマ大統領は僅差の2位」と評していた。内容はもちろん、話し方がうまく、聴き手に訴える力が抜群だという。

 そのオバマ大統領による、秋の大統領選を控えた1期目最後のSOTUとなれば、一見の価値はありそうだ。映像やトランスクリプトはホワイトハウスのウェブサイトで見ることができる。

“fair”にこだわった今年のオバマ大統領

 演説を聞いてまず気がつくのは、“fair” (公平・公正)という言葉の登場回数の多さである。まだ超党派路線を追求していた昨年のSOTUでは、1度も使っていなかったが、今回は7回も登場しており、間違いなくキーワードと言える。MIISのある同級生は“It’s a word that clicks on Americans”と語った。「“fair”は米国人なら何か気になる言葉だ」と言うのだ。

 米国の子供は“It’s not fair!”という言葉を日常的によく使う。筆者の子供たちが米国の小学校に通い始めて最初に覚えた表現の1つもこれだった。MIISで一緒に英日・日英翻訳を学ぶアーロンに訳してもらったところ、日本語では「ひどいよ!」に近いという。通常は、親など身近な大人に対して言う言葉で、すねた感じがするらしい。

 何人かの英語ネイティブスピーカーに“It’s not fair.”を別の言葉で表現してもらったところ、“It’s not just.”という答えが多かった。また“I deserve more.”と言い換えた人もいた。「“It’s not fair”という表現には『私はもっとましな扱いを受けられるはずだ』という権利意識(entitlement)が感じられる。いかにもアメリカ的で、私は好きじゃないけれど」とも言っていたが…。

コメント3件コメント/レビュー

長期視点での政策演説は、政治家には不可欠の要素だと思う。国を率いる以上は必ず語るべきだし、不公平を感じる事象が生じた時には是正してゆくと語るのが良い。お互いを守りあうのは日本人のお家芸なのに、昨今の社会現象には石原都知事が言及した「我欲」丸出しの事が多すぎる。江戸末期から明治初期の日本人の気質を皆が取り戻したら、もう少し良い国に成るのではと思う。(2012/02/15)

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いただいたコメント

長期視点での政策演説は、政治家には不可欠の要素だと思う。国を率いる以上は必ず語るべきだし、不公平を感じる事象が生じた時には是正してゆくと語るのが良い。お互いを守りあうのは日本人のお家芸なのに、昨今の社会現象には石原都知事が言及した「我欲」丸出しの事が多すぎる。江戸末期から明治初期の日本人の気質を皆が取り戻したら、もう少し良い国に成るのではと思う。(2012/02/15)

「普段着の言葉で語っているから米国大統領が素晴らしい」ではない、のでは?「国民に(練りに練った)伝えるべきことを訴えかける」ことが素晴らしいと思います。表現技術はただの技術に過ぎませんが、あるべき姿を訴え、利害調整をすることこそが、政治だと思います。理想論の提示や利害調整ができない政治家を選び出している国民自身が恥じるべきでしょう。理想論の提示や利害調整の議論に寄与せず、当事者意識のまったくないマスコミも、同様にこの状況を恥じて欲しいものです。(2012/02/15)

前にもコメントしたが、アメリカ人が重んじるのは結果平等ではなく機会平等。人種問題にしろ差別の根底にあるのは機会不平等(アンフェア)を認めないということ。日本社会は逆に結果平等(権威主義)を礼賛してるから対局の言葉が使われるんですよね。(2012/02/15)

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