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第5回ゆっくり歩こう

自律神経のバランスをベストにして健康を保つ

2012年5月11日(金)

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 このコラムの読者は忙しくて「退屈」というテーマなどにはあまり縁がないかもしれない。私も、つい最近まで自分をそういう1人だと思っていた。ところが、どうもそうではないかもしれないと思い始めた。どうやら、読者や私が忙しいのは、退屈しているからこそ成せるわざらしいのだ。この可能性に気づいてしまったのは、間違って手に取ってしまったある本のせいである。

 人類の歴史を振り返ると、そのほとんどは移動生活者だった。移動を続けた数百万年の歴史の尖端の、ほんの一万年が定住生活者としての歴史である。こうした歴史観に立って、田中正規さんは「定住革命」という考え方を提唱されている(「人類史の中の定住革命」講談社学術文庫。ただし、これがある本ではない)。

定住生活者は退屈する

 私が冒頭で言及した問題の本は、國分功一朗さんの『暇と退屈の倫理学』。國分さんは、定住生活のせいで我々は退屈しているという。動き回っていた移動生活から定住生活に変わったことが、人間にとっての退屈を生み出している可能性を指摘する。

 その本を読みながら、私は、昔暮らしていたサウジアラビアに建てられたアパート群のことを思い出す。ベドウイン(遊牧民)を定住させようとして政府がアパートを建てたのだが、そこには人がよりつかず、砂漠の廃墟と化した。政府のおお節介的な思惑などにお構いなく、遊牧民は定住を選択しなかったのだ。

 定住が嫌なのはサウジのベドウインに限らない。日本人サラリーマンの私も、どこかにとどまっていると、すぐに飽きてくる。家の中でじっとしているのは、朝の出かける前と、帰宅後のみだ。休みの日でも、週日と同じように早く起きて早く出かける。ウイークデイも、オフィスの自分の部屋にとどまることはほとんどない。部屋が会議室兼用になっていて、入れ替わり立ち替わり人が入ってくるせいもあるが、そうでなくても部屋でじっと落ち着いているのは性に合わない。

 哲学者パスカルの忠告(「人間の不幸などというものは、どれも人間が部屋にじっとしていられないがために起こる。部屋でじっとしていればいいのにそうできない。そのためにわざわざ自分で不幸を招いている」(パンセの一節))に耳は痛むが、仕方がない。勤務先も1つところではとどまれず、気がつくと活動拠点や所属先もほぼ5年刻みで変えてきている(そういえば、今のところも既に5年がたった)。

 いずれにしても、定住革命と退屈が関連する話を聞いて、「そうだったのか、國分さん」と思った次第である。同時に、移動すること、動くことの重要性に改めて注意を払い始めた。そこで思い出したのだが、分子生物学者のJohn MedinaがBrain rulesで書いた次の2つのカ所だ。

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「第5回ゆっくり歩こう」の著者

キャメル山本

キャメル山本(きゃめる・やまもと)

デロイト ディレクター

外交官を経て、経営コンサルタントとして組織・人材のグローバル化を支援。BBT大学でリーダーシップを講義。2013年からグローバル人材育成の為のプログラムを開発・提供。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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