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“みそぎ”が済まないタイガー・ウッズの苦悩

“redemption”から垣間見る「大人の事情」

  • 土方 奈美

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2012年5月15日(火)

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 4月5日~8日まで米フロリダ州で開かれた男子ゴルフのビッグイベント、マスターズの一番の話題は、タイガー・ウッズが5度目の優勝を飾り、完全復活を遂げるかどうかだった。

 きっかけはその2週間前、ウッズが実に2年半ぶりに米ツアーの試合で優勝したことだった。ウッズが勝てない期間のことを、米国のメディアはtitle drought/ tour drought/ win droughtなど、干ばつを意味するdroughtという言葉で表現していた。日本で記者が良い企画が思い浮かばないときに“ネタ枯れ”といったりするが、それと似た感覚だろうか。英語ネイティブスピーカーに確認すると、スランプ(slump)より期間が長く、深刻な印象を与える言葉だという。

 いずれにせよ、1度の勝利をもって“Phase 2 begins for Tiger Woods”(ウッズの第2ステージ始まる、AP通信、3月26日)、“It's Official: Woods Ends Tour Drought”(ウッズのツアー不振、確実に終了、ニューヨーク・タイムズ、3月26日)などとするはしゃぎぶりを見ると、米国人(もしくは米国のゴルフ界の人たち)はつくづくウッズが好きなのだな、と思う。

 気になったのは、上記の記事の中でニューヨーク・タイムズが使った “Sunday offered him a measure of professional redemption.”という表現だ。「日曜日(3月26日)の様子を見ると、プロとしてある程度復活したようである」ということを言いたいわけだが、なぜcomeback やrecoveryではなく、redemptionなのだろうか。

 redemptionはもともとキリスト教の贖罪を意味する言葉である。辞書で引くとほかにも「解放・救出、抵当に入れた資産の取り戻し、約束の履行、(債券などの)償還」など様々な意味がある。ジャーナリストや物書きなど、英語で少ししゃれた文章を書く人たちが好んで使う言葉だが、どうも日本語に置き換えにくい。この言葉を聞くと、冤罪で投獄された主人公と刑務所仲間それぞれの生き様を描いた映画『The Shawshank Redemption』を思い浮かべる人も多いだろう。邦題は『ショーシャンクの空に』となっているが、これもredemptionの訳しにくさを表している気がする。

 筆者が翻訳を学ぶモントレー国際大学院(MIIS)の同級生などに聞くと、comebackやrecoveryと比べると、redemptionは単にゴルフの実力が持ち直しただけでなく、モラルや精神的な意味での凋落とそこからの立ち直り、という意味が含まれている印象を受けるという。ちなみにredemptionという言葉は、4月4日付のワシントンポスト紙でも使われていた。

 “Woods is good for business. That's usually the story with high-profile athletes who have successfully traveled Redemption Road.”
(ウッズの集客力は抜群だ。これはうまく“みそぎを済ませる”ことができた名選手には、よくある展開といえる)

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松﨑 曉 良品計画社長