• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

負けても勝ったと言い張る米国人のメンツ

どこまでも上から目線、立候補者の「敗戦の弁」

  • 土方 奈美

バックナンバー

2012年5月22日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 米国では今年11月、大統領選だ。メディアの報道は既に選挙一色である。共和党の候補者指名争いは、4月10日にリック・サントラム氏がレースから降りたことで事実上終結した。

 興味深いのは、サントラム氏が選挙戦からの「離脱」を表明する際に使った表現だ。メディア側は「退出」を意味するleave/ exit/ withdraw/ bow out ofのほか、「落伍・脱落」を意味する”drop out”なども使っていたが、サントラム自身はスピーチでこう語っている。

「私たちは勝っていた、全く違った形で勝っていた」

“We made the decision over the weekend that the presidential race for us is over and we will suspend the campaign as of today… ”
(私たち(家族)は週末に話し合い、自分たちの大統領選は終わりにしようと決めました。本日をもって選挙活動を一時中断します

 辞書にもある通り、suspendという動詞は何かを一時的に停止する、という意味だ。

 選挙戦から離脱するのに、なぜ“一時的”なのか。英語ネイティブの翻訳家や通訳に語感を尋ねると「米国人、特に政治家にとっては負けたという印象を与えないことがとても大切だから」という返事が返ってきた。

 翻訳を専攻する学生のリンは「finish the campaignという表現は大統領もしくは党の候補者になるという目標を達成した時しか使えない。一方、leaveなどと言うと戦いを途中で放棄したというイメージを与える。それまで自分に投票してくれた人、寄付など資金協力をしてくれた人の手前、それでは具合が悪い。suspendと言えば、一時的に矛を収めるだけで、今後も戦い続けるという姿勢を印象づけられる」と解説してくれた。

 15分に及ぶこのスピーチは、日本人がイメージする“敗北宣言”とはほど遠い。サントラム氏は勝てる見込みがないから降りる、とはひと言も言っていない。直前に遺伝的な疾患を持つ末娘が入院したことを受け、家族で話し合った結果、“自発的に”選挙戦を中止することにしたという。

 スピーチのなかで“We were winning. We were winning in a very different way.”(私たちは勝っていました。まったく違った形で勝っていたのです)とも語っている。「私の不徳の致すところ...」どころか、11の州で勝利を収めるなど、この予備選挙で自分がどれほど成功したかをとことんアピールし、4年後、もしくは8年後の戦いに備えようとしていた。

コメント3件コメント/レビュー

調べてみればわかりますが、日本だってトップはそうそう「負けた」といえない立場にあります。アメリカの方が『うまいこというなぁ』と感じさせてくれますが。(2012/05/22)

「ニュースで読みとく英語のツボ」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

調べてみればわかりますが、日本だってトップはそうそう「負けた」といえない立場にあります。アメリカの方が『うまいこというなぁ』と感じさせてくれますが。(2012/05/22)

負けを認めたがらないのは欧米で強く、日本では弱い。アジアの国々でも中国や韓国の人達は日本人と比べると負けをストレートには認めたがらない場合が多い。日本人の感覚からすると明らかに『負け惜しみ』としか思えない『敗北宣言』が普通だ。特に中国人は『メンツを大事にする(中国語で”愛面子”)』が一般的な中国人の代表的な性格として捉えられているくらいだ。正直に『負けた!』と言うのは自らの面子を潰す事になると考えているのだろう。 外交に於いてはこの事は顕著に表れる。 中国は代理戦争とも言われる朝鮮戦争とベトナム戦争でアメリカ相手に『勝った』と自負している事が拍車をかけている。古代中国の偉い政治家は『謙虚』がその人を大きくしていたと評価される場合が多いが、現代の中国には残念乍らその様な政治家は見当たらない。 少し前にいた周恩来は現代中国では珍しく謙虚さを有していた政治家と思われたが、毛沢東の前に亡くなってしまったので本質まで見る事は出来なかった。韓国も、特に日本に対した時はどの世界であれ『負けた』を言わない点で固まっている。 GDPでは中国に抜かれたとはいえ、民主主義の進度に於いては未だにアジアでは突出していると考えたら他国の状況も理解出来るのではないだろうか。(2012/05/22)

日本人も「敗戦」ではなく「終戦」と言うではないのか?(2012/05/22)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長