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どろどろ相続 「資産のない家」ほどモメる理由

「分けようにも分けられない」ケースが危ない

2012年7月26日(木)

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 「そんなの不公平だろ」

 80代の母親が「同居する長女に実家を相続させたい」と長男に告げたところ、息子から即座にこんな答えが返ってきた。相続させるのは、実家一軒とわずかな貯金のみ。離れて住む長男と、同居する長女。2人の子供に均等に財産を残すのは難しい。そこで母親は、夫亡き後ひとりとなり心細かったところ、老後の面倒をみてくれた長女に家を残したいと考えたのだ。

 長男は「妹に残すという遺書を書いても、遺留分を請求する」と言い出す始末。「遺留分」とは、法定相続人に対して民法で認められている最低限の遺産継承分で、このケースだと長男は遺産の4分の1を請求できる。

 母亡き後、もしも長男が遺留分を主張したら、長女は実家の不動産評価額の4分の1に当たる額、2000万円ほどを現金で支払わなくてはいけない。そんなお金はない。では、住み慣れた実家を売り払い、出ていかなくてはいけないのか…。

 これは実際に、相続支援を行う「夢相続」の代表、曽根恵子さんのもとに寄せられた相談だ。

 相続財産は実家一軒。このように相続でモメるのは、「分けようにも分けられない遺産の場合が多い」と曽根さんは言う。家庭裁判所に持ち込まれる「遺産分割」の紛争は、増えている。その資産総額内訳をみると7割超が「資産5000万円以下」。普通の家がもめているのだ。

長男の思い込み

 背景には何があるのか。家族の在り方、相続観の変化がある。かつては実家に暮らす長男が、親の面倒を最後までみて資産の大半を相続する「家督相続」が常識だった。そうした家族像は崩れつつあるものの、完全に意識が切り替わったわけではない。

 冒頭の例でも、長男は家を出て親の面倒を見ていない。にもかかわらず「相続ゼロ」と言われると、「俺が長男なのに」と思ってしまう。また長男が家長の権限とばかりに「いいから俺にまかせておけ」と親の資産内容を明らかにしないと、兄弟が疑心暗鬼になるケースもある。

 采配をふるう立場にあるという長男の思い込み、遺産は長男だけのものではないと考える弟や妹の権利意識。そのすれ違いがトラブルを生む。相続の紛争で最も多いのが、兄弟間のもめごと。民法で定められた「法定相続分」の均等相続を兄弟が主張するようになってきたのだ。

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「どろどろ相続 「資産のない家」ほどモメる理由」の著者

野村浩子

野村浩子(のむら・ひろこ)

ジャーナリスト・淑徳大学教授

日経ホーム出版社(現日経BP社)で「日経WOMAN」編集長、女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長などを歴任。日本経済新聞社・編集委員などを経て、2014年4月から、淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員など政府審議会委員も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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