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怒らなければ、世の中変わらない

避けるべきものではなく、向き合うものに

2012年8月17日(金)

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 第1回のコラムに対して、コメントを寄せてくれた方がたくさんいたのに驚き、同時に感謝しています。「怒る」について、それだけいろいろな考え、思いがあるからだろうと受け取りました。

 その中で、「怒る」と「叱る」についての区別を指摘されている方が何人かいました。私の考えを述べておきます。

 「叱る」は相手の悪い点を直したり、改めさせたりする目的で行われるコミュニケーションです。主に上司・先輩から部下・後輩に対して行われるもので、育て、伸ばそうとするのが目的です。管理職の研修などで、このテーマはよく取り上げられています。そして叱るには、「感情的になって怒ったりしない」ことが、ただし書きとして付け加えられるのが常のようです。

 それに対し、「怒る」は生活の中で怒りを感じた時、その怒りを表すもので、感情表現の1つです。

 もともと、日本人は「喜怒哀楽の表現はこらえるのが美徳」と教育されてきました。とはいえ、今の時代、感情は素直に表現する方がいいと、大きく変化しています。中でも、喜びの表現は顕著で、多くの若者は笑顔、ガッツポーズ、「やった!」といった叫び声など、表現も多彩です。ロンドン五輪でも、そんな姿がよく見られました。

 近頃は、怒られると泣く若者もいるらしく、悲しみの表現にも“規制緩和”が進んでいるようです。ところが、「怒り」となると、依然としてブレーキがかけられ、「危険物」のレッテルが貼られたままです。

 そこで、「怒る技術」と題して、「怒る」感情の解放を促そうというのが、この連載の狙いです。前回の内容を踏まえつつ、コメントされた方々のご意見を頭に浮かべながら、もう一度、「怒る」ことのすすめを説いていくことにします。

怒りを感じたら、「怒る」のが自然

 すっかり前置きが長引いて、悪い文章の見本みたいになってしまった。ここからは本題に入りたい。

 言うまでもなく、人は怒りを感じるから怒るのである。

「差し当たり怒る必要が感じられない」
「怒るべき問題もない」
「腹が立たない性格で、怒ったことがない」

 などの場合、あえて怒ることはない。怒らないで済むのなら、それはそれで結構な話である。

 「人に期待するから怒るのであって、期待しなければ怒る必要もない」という理屈もある。理屈というよりは、これは1つの生き方だろう。もっとも、当初からそのような生き方だったのか、何度か期待し、期待が裏切られて激しく怒った結果、うまくいかず、かくして期待しない生き方を選択するようになったのかは、人それぞれに違いがあるのではないか。

 私もかつて、上司に過度な期待を抱き、言わば「ないものねだり」をして、失望した苦い経験の持ち主である。にもかかわらず、懲りもせず、上司にも部下にも、また異性に対しても、期待せずにはいられない。だから、怒りを感じる生活に、今も変わりはない。

 今日、多くの人は怒りを感じ、それを表現しないで我慢している結果、「いらいら状態」に陥っている。ストレスを抱える人が多いのも、そのためと言えるのではないか。

 怒りを感じたら、怒りを表現しよう――。繰り返すが、これが私の考えである。

 至って自然で、シンプルなものなのに、なぜ人は怒ろうとしないのか。怒りを我慢するのだろうか。

コメント10件コメント/レビュー

怒りを我慢して失敗するのは当然です。我慢とは、自分が正しいのだから、今回は相手に譲ってやるという”慢心”が本質なのですから、改善も発展も期待薄です。相手が”我慢”に気付いて、歩みよるなら良い結果になりますが、希です。相手の立場に立って怒りを表現しようという訓練(?)で、我流であっても”技術”は身に付くと思います。平和や反原発の論者が多数の支持を獲得出来ない理由に、理想論では無く現実を直視するという「人格」の不足を指摘する識者もいます。人格攻撃されずに怒りを支持してもらう「技術」は重要と思います。かく言う私も、40歳前は「人格的に欠点の無いのが欠点」と批判されたり、「どうせ専務になるのだから今は我慢しろ」と先輩に押さえつけられ、”仲間と思ってもらえない”悔しさに、海に向かってよく泣いていました。失敗の連続でした。(2012/08/19)

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いただいたコメント

怒りを我慢して失敗するのは当然です。我慢とは、自分が正しいのだから、今回は相手に譲ってやるという”慢心”が本質なのですから、改善も発展も期待薄です。相手が”我慢”に気付いて、歩みよるなら良い結果になりますが、希です。相手の立場に立って怒りを表現しようという訓練(?)で、我流であっても”技術”は身に付くと思います。平和や反原発の論者が多数の支持を獲得出来ない理由に、理想論では無く現実を直視するという「人格」の不足を指摘する識者もいます。人格攻撃されずに怒りを支持してもらう「技術」は重要と思います。かく言う私も、40歳前は「人格的に欠点の無いのが欠点」と批判されたり、「どうせ専務になるのだから今は我慢しろ」と先輩に押さえつけられ、”仲間と思ってもらえない”悔しさに、海に向かってよく泣いていました。失敗の連続でした。(2012/08/19)

先日、上司からプロジェクトの運営に関する指示がありましたが、とても納得のいくものではありませんでした。まわりの人たちはブツブツ文句を言ったり、怒ったりしつつもなかなか上司に文句を言いません。この上司も言葉を右や左へのらりくらりとかわすような人なので、「いっても無駄」といった諦めみたいなものもありますし、「上の人間には逆らえない」といった抑制も働いているのが垣間見えます。「怒る」前に何かしらの抑制が働いて「怒ること諦めてしまう」というのが大多数のように見受けます。私は正しいと思うことは継続してものを言うことが大事だと思ってるので、もちろん怒りました。30分ほど上司の前で粘ってなんとか指示を覆したことがあります。責任をしょえない上司や、決断力のない上司を持つと「怒らなければ変わらない」、いつもそれを実感しながら仕事していますね(笑)(2012/08/18)

昨今の現状も、かつての日本でも、外交的な面においても怒りを表さなければ何処までも付け込まれるのがオチ。駆け引きの手段の一つとして必要だと思います。(2012/08/18)

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