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怒る経験を通して、視野を広げよう

矛盾と葛藤の中で「感情」と向き合う

2012年10月5日(金)

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 前置きになるが、前回の最後に表でまとめた「怒ることで得られるもの」の1つ目、「自分に正直になれる」について補足を述べたい。

 「自分に」とは、「自分の感情の動きに」の意味である。特に、「怒りの感情が始動する」には、世の中の動きや相手の言動に対して何らかの関心、思いがなければならない。

 今、激しさを増している領土問題を巡る国家間の対立についても、マスコミの報道に対して、「他人事」のようにしか反応しなければ、腹も立つまい。

 先日、60歳になる知人の男性が話しかけてきた。「日本はずっとアメリカに守られてきて、外交がすっかり弱腰になっていますね。アメリカには主張らしい主張はできないし、いつも情報を分析して、相手の出方を見て、といった消極姿勢でしょう? 右手で大きく拳を振り上げて、左手で握手するくらいの芸があっていいのに…。それと、国民一人ひとりが、無関心、無感覚になっていて、怒っている人が少ないんですよね」

 彼は「こんなことじゃいけない。もっともっと怒らないと」と続けた。アハハハハと、大きな笑い声を立てながら、でも目は真剣に怒っているのが印象に残った。

 感じたり、怒ったりしなければ、「自分に正直に」も何もない。私の腹立ちは、韓国にしろ、中国にしろ、日本と相手国の歴史認識がまったく異なっているのに、双方がともに自分の言い分だけを主張して、平行線の議論に陥っていることに対してだ。

 話し合いを成立させるには、真っ向から主張が対立していることを双方が理解し、「違いを認め合う」ことが必要だ。そうしなければ、対立はエスカレートするのみである。

 日本人だって、内心で腹立たしく思っている人もいるし、次第に増えてくるかもしれない。一見おとなしく我慢している人たちが、何かのきっかけで怒りの感情に火がつき、暴発するなんていうことになったら、それこそ大変である。

 どんな問題にしても、「怒り」を感じたら、その感情に正直に向き合えるようになりたい。

怒りの感情にどう向き合うか

 第1に、怒りの感情を巡る葛藤について。

 何度も述べたことだが、怒りの感情をむき出しにしないことである。とはいえ、腹が立つと、声が先に飛び出してしまうもの。

 池井戸潤氏の小説『ロスジェネの逆襲』には、半沢という男が登場する。頭が切れ、周囲から恐れられているが故に、子会社の部長に異動させられたこの主人公の活躍ぶりが描かれていて、興味深い。

 度重なる本社からの理不尽な仕打ちに、部下が腹を立て、「いいんですか、部長。いくらなんでもひどいですよ、これ」というような発言をする。が、半沢部長は冷静だ。

 「よせ、そういうのが組織なんだ。いまさら、ここで文句を言っても始まらんよ」

 「腹を立てないんですか」

 「会社組織っていうのを信用しているのか」

 「信用できませんよ」

 「信用してないんなら、怒ることないだろう。信用できないと言いながら、お前、信用しているじゃないか。何を言われようが、やると決めたことはやる。全力で立ち向かうだけだ」

 内容の一部を要約して紹介したが、半沢という部長は、腹は立てる。だが、いまさら怒っても始まらないと冷静に状況を分析して、予定の行動に突き進んでいく。

 怒らせようという相手の手に乗らずに、「組織っていうのはそういうものだ」と割り切る。そんな判断が実際どれだけの人にできるだろうか。筋金入りの人物でないと、容易にはできないのではなかろうか。

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