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「ナンバーワンよりオンリーワン」という言い訳

論文「ストラテジック・インテント」を読む【2】

2012年12月20日(木)

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取り上げているのは――「ストラテジック・インテント」
(C.K.プラハラド&ゲリー・ハメル、ハーバードビジネスレビュー 1989年11月号、邦訳ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー、2008年4月号)経営者の役割、社員の役割

 前回で指摘したように、プラハラドとハメルは、ストラテジック・インテントを持つだけでなく、それに向けて社員を動機づけし、引っ張っていく経営者のコミットメントと責任を強調しています。当時競争力を失ってリストラをする欧米企業が多かったことと関連しているでしょう。

多くの競争に敗れた企業では、非難の矛先が社員の側に偏っているように思われる。

あまりにも多くの場合、企業再生の痛みが最も責任が軽いはずの社員ばかりに押し付けられている。社員はゴール達成を厳しく問われるのに、経営側にはそれと同等のコミットメントが求められているように見えない。こうした一方的なやり方のために、現場の知的エネルギーが活用できていない。

 「野心的なゴール」であるストラテジック・インテントは、現場を含めた社員全体のコミットメント、注意深さ、創造力がなければ実現できないものです。当然ですが、すべてを計画してその通りにやらせるということはありえず、明確なゴールは示しても、その手段については社員の創造に任せるよりほかありません。

 その意味で、ストラテジック・インテントを持つとは、社員が全力を尽くせる環境を整えることでもあります。そして、その前提は、経営者が「社員を信じる」ということ、さらにその前提は「社員をよく知る」ということではないでしょうか。

会社の問題を自分の問題として考えられるか?

 著者らは、そうした環境を整える、社員を導いていくためのいくつかのポイントをあげています。

● 社内に危機感を醸成する
● 社内のすべての階層で競争相手に対する意識を持たせる
● 社員にパフォーマンスを高めるためのスキルを教育する
● 社員が1つのチャレンジを消化してから次のチャレンジを与える
● 分かり易い段階目標を設定してレビューする

 面白いのは2番目の「競争相手に対する意識」というところで、「自分への個人的な挑戦だと受け止めるようにする(personal)」と指摘している点です。私も別のところで「企業の私物化のすすめ」をしていますが、やはりそうかと改めて思いました(何百億円もギャンブルに使えるのは、それが会社の金で自分のものではないと思っていたからだと思うのですがいかがでしょうか?)[※注1]

[注1]『実行と責任』(日経BP社 2012年)

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「「ナンバーワンよりオンリーワン」という言い訳」の著者

清水 勝彦

清水 勝彦(しみず・かつひこ)

慶應義塾大学大学院教授

東京大学法学部卒業。ダートマス大学エイモス・タックスクール経営学修士(MBA)、テキサスA&M大学経営学博士(Ph.D)。戦略系コンサルティング会社のコーポレィトディレクションを経て研究者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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