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部下を「指導」してつぶしていないか?

「人を育てる」とはどういうことか? 河合隼雄を読む【1】

2013年2月28日(木)

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今回取り上げるのは――河合隼雄心理療法序説(1992年、岩波書店)、カウンセリングを語る 上・下』(1999年、講談社プラスアルファ文庫)

 早いもので河合隼雄氏が亡くなってから5年が過ぎます。私の中では、河合隼雄氏は、以前ご紹介した西堀栄三郎氏と並んで、お目にかかったことは一度もないもののその書籍を通じて色々なことを考える「こころの師」です。河合氏の本は、専門書と対談以外は大体読んでいるだろうと思っていたのですが、今回この文章を書くにあたってアマゾンで調べてみると、とんでもない間違いだったことが分かりました。まだまだ修行が足りません。

 さて、本題に戻ります。河合隼雄氏の著作との出会いは随分昔で、この『心理療法序説』が最初です。前職のコンサルタント時代に、社内の研修で先輩がこの本に触れていたことがきっかけです。

 今もそうかもしれませんが、当時コンサルタントと言えば「企業のお医者さん」などと言われていました。企業の悪いところを見つけ、処方箋を書き、健康にするのがコンサルタントの役目だという意味です。「本当にそうか?」というのが、その先輩の投げかけでした。

カウンセラーやコンサルタントの本当の役割とは?

 例えば、人間だって、病気になれば確かに薬を飲んだり、手術をしたりするわけですが、本当に良くなるためにはその本人の治癒力がなくてはなりませんし、「治りたい」「生きたい」という気持ちも大切であるのはよく指摘されることです。さらにそれを企業にあてはめたとき、「医者」の本当の役割とは何か?

 「コンサルタントに頼んで分厚い提案書を出してもらったのに何も変わっていない」という指摘はすでに当時からあり、単に高額のフィーをもらうためではなく、クライエント(通常は「クライアント」と書くと思いますが、河合氏の言葉に合わせます)に対してコンサルタントの本当の価値とは何なのか? コンサルタントは何を目指すべきなのか?

悩んでいる人に忠告や助言を与えることを、まったくしないわけではないが、それは心理療法の仕事においては、ほとんど重要なことではない。忠告や助言で解決するような人は、心理療法など受けにこないといっていいかもしれない。

 この問いは「カウンセラー対クライエント」「コンサルタント対クライエント」だけではなく、例えば本で触れられているように「教師対生徒」、さらには「上司対部下」にも当てはまるのではないでしょうか。

 「〇〇人材育成」(○○には、グローバルとか経営、あるいはリーダーシップといった言葉が入ります)が今まで以上に声高に叫ばれている現在、「人を治す」から一歩進んで(戻って?)「人を育てる」とはどういうことかに対して、河合隼雄氏の本はさまざまな示唆を与えてくれます。カウンセリングに関しては全くの素人ですので的外れだったり、曲解したりしている部分もあるかもしれませんがお付き合いください。

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「部下を「指導」してつぶしていないか?」の著者

清水 勝彦

清水 勝彦(しみず・かつひこ)

慶應義塾大学大学院教授

東京大学法学部卒業。ダートマス大学エイモス・タックスクール経営学修士(MBA)、テキサスA&M大学経営学博士(Ph.D)。戦略系コンサルティング会社のコーポレィトディレクションを経て研究者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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