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60歳を過ぎても「ひっぱりだこ!」3つの条件

65歳定年 勝ち組さん、負け組さんの分かれ目

2013年3月22日(金)

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 今春から改正高年齢者雇用安定法の施行により、希望すれば全員が65歳まで働けるようになる。「これで老後は一安心」と思うのは早計だ。定年後の再雇用で激減する給与水準に耐えられるか。65歳定年時代を生き抜くために求められる「稼ぎ力」「家計力」を、日経マネー編集部が2回に分けて解説する。

 2回目は60歳を過ぎても働き続けるコツを探る。定年で肩書きがはずれても「俺にそんな仕事をやらせるのか」「そんなに給料もらってない」と、上司風を吹かせるようなシニア社員は次第に居場所がなくなり、65歳を前に自ら辞めていくケースもある。ではどんな人が求められるのか。

イラスト 白根ゆたんぽ(以下イラスト同じ)

 60歳を過ぎて会社に残って活躍できる人、退職後に他社でも活躍できる人、「シニアでも引っ張りだこ」の人には大きく3つの共通項がある。

 まず筆頭に挙げられるのが「目線の低さ」だ。

 「ボクはこう思うけど、どうだろう」「これをやっておこうか」。大手建設会社の海外営業部門で参与として働く山下正治さん(仮名、64歳)は、職場で言葉づかいに気を遣う。60歳定年を機に営業部長からプレイヤーとなり、元部下が上司になった。

 山下さんは海外営業畑30年、10年以上の海外駐在経験があり、英語とスペイン語を操る大ベテランだ。しかし、偉そうなそぶりは一切見せない。「年寄りのほうこそ、気配りをすべき」が持論。ただでさえ、シニア社員は使いにくいと思われがち。過去の成功体験をふりかざしたり、元部長のような振る舞いをしたりするのは禁じ手だという。

 山下さんの会社では60歳以降は単年度契約の嘱託社員で、A、B評価でないと契約が更新されない。職場で煙たがられては終わりだという。

 今春から、改正高年齢者雇用安定法の施行により希望すれば65歳まで働けるようになった。とはいえ、定年で肩書きがはずれても「上司風」を吹かせる人は、職場で浮いてしまう。「俺にそんな仕事をやらせるのか」「そんな給料もらってないぞ」と威張るシニア社員は次第に居場所がなくなり、65歳を前に自ら辞めていくケースもある。

監査役を退き、ハローワークに足を運ぶ

 定年後、どこかの会社で役員でもできないか。会社員の多くが夢見る転身を果たした鈴木洋介さん(仮名、64歳)。大手素材メーカーの子会社監査役を退いた後、ITベンチャー企業の監査役に就いた。鈴木さんの再就職を成功させた鍵もまた「目線を下げたことだ」。

 前職を退いた後、日本監査役協会やヘッドハンティング会社に登録する一方、ハローワークや区役所にも頻繁に足を運んだ。無料のカウンセリングや講習を何度も受けたという。「大企業の看板を自分の実力と思ったら大間違い。自分の力で何ができるか見つめ直そうと思ったんです」。いざとなったら、月収20万円の区役所のパート職員に応募しようと考えていた。健康なうちは年金をもらわずに働きたいと考えたのだ。

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「60歳を過ぎても「ひっぱりだこ!」3つの条件」の著者

野村浩子

野村浩子(のむら・ひろこ)

ジャーナリスト・淑徳大学教授

日経ホーム出版社(現日経BP社)で「日経WOMAN」編集長、女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長などを歴任。日本経済新聞社・編集委員などを経て、2014年4月から、淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員など政府審議会委員も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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