• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

英語より気遣いが大切

日本人に生まれた強みを生かせ

2013年9月6日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「日本人は英語ができないから国際ビジネスで損をしている」というのは偽らざる事実でしょう。しかし、その度合いは思ったほど大きくはない、というのがぼくの実感です。日本人が世界一得意なこと――気遣いを磨いていけば外国人と心が通じるようになれます。

英語ができなくても顧客の信頼は勝ち取れる

 「日本の証券会社は営業担当者が信頼できる」
 中東でファンドマネージャーとして働いていた時、アラビア人の上司たちは口ぐちにこう言っていました。欧米系やアジア系の証券会社と比べて最も良いと言うのです。英語力については最低の評価だったので、なぜ信頼できるのか意外でした。

 証券の海外営業は他の業界に比べて厳しいと言われています。機械や電機製品と違って、自社ブランドの商品はありません。価格で差別化することもできません。情報とその伝達力がカギです。つまり、言葉だけが勝負。なのに、どうして英語の不得意な日本の証券会社が顧客の信頼を勝ち取ることができたのでしょうか。

 これは言葉以外の部分が優れていたからにほかありません。アラビア人たちが日系証券会社全体を高く評価していたということは、特定の営業マンが個人として優れていたのではなく、日本人特有の強みが光っていたことになります。

 特有の強みとは何か。それは気遣いです。世界に誇る日本人の美徳です。

 欧米証券会社の社員の中にはエリート意識が鼻につく人がいます。新幹線に乗った時のことでした。ぼくたち金融機関のメンバーは普通車でしたが、顧客である私たちに構うことなく、同行した取引先証券会社のアメリカ人社員たちはグリーン車に乗りました。日本人ならば、お客様の手前、同じグレードの車両に乗るでしょう。この話をすると、上場企業で役員をしている友人は、仕事を依頼したヘッドハンターの米国人と一緒に海外出張した際のことを、「そんなのまだいいよ。俺はエコノミー、先様はファーストクラスだった」と言っていました。

日本の差別化の源泉は気遣い

 ぼくは新入社員として日本企業で働き始めた時代を思い出しました。言い訳をしない、「できない」と言わない、疲れた顔をしない、お客様より高そうなスーツを着ない、座ったまま名刺を渡さない、「上司と相談してから返事をします」と言わない、などを徹底的にたたき込まれました。

 ぼくが衝撃を受けたのは、「約束の時間に遅刻した際に、『渋滞でした』とは決して言うな」という先輩からの教えでした。それは「俺は悪くない」という責任転嫁だ。お客様の立場に立ってみろ。こちらが遅れた理由が何であっても、遅刻を愉快な気持ちで受け入れることはないのだ。ただ平謝りに謝れ、とのことでした。

 日本では先輩から後輩へ、相手の立場で考える教育が脈々となされています。お客様電話相談室では、お客様が憎悪する「お待たせする」「分かりませんと言う」「電話のたらい回しをする」がないよう徹底されています。

 日本の製品も気遣いが集積して出来上がっているのではないでしょうか。

コメント6件コメント/レビュー

同感です。日系の海外支社に勤めてますが、現地の米人の日本人の下手なに英語に対する寛容さ、我慢強さというものに圧倒されてましたが、たぶん日本人の他の面:道徳観、まじめさ、正直さというものに同感されて、面倒な日系の会社でも我慢して働きたいと思ってくれているに違いないんだろうなと思います。自分が米人だったらおそらく日系で働きたくないですが。。。笑(2013/09/07)

「TOEIC500点でも国際人になれる」のバックナンバー

一覧

「英語より気遣いが大切」の著者

林 則行

林 則行(はやし・のりゆき)

投資家

投資家。全く英語が話せないのに資産運用のノウハウ修得のため渡米、コロンビア大学MBAにぎりぎり合格。仕事力と日本人の強みを生かすことで、社内最低の英語力ながら海外運用機関で株式運用部長。現在独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

同感です。日系の海外支社に勤めてますが、現地の米人の日本人の下手なに英語に対する寛容さ、我慢強さというものに圧倒されてましたが、たぶん日本人の他の面:道徳観、まじめさ、正直さというものに同感されて、面倒な日系の会社でも我慢して働きたいと思ってくれているに違いないんだろうなと思います。自分が米人だったらおそらく日系で働きたくないですが。。。笑(2013/09/07)

日経BPの記事で、久しぶりに心温まる内容に感謝したい。そしてコメントにあるように、「ここを出発点として」英語や現地の言語に磨きをかけ、さらにコミュニケーションができるよう、努力することを求めたい。本当にいい記事を有難う。(2013/09/06)

日本語であろうが、外国語であろうが、相手への配慮というものは必要だし、伝わるものなのですね。(2013/09/06)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授