• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

ネイティブの虚勢を見抜こう

超ネアカ表現の裏に隠された本音

2013年9月27日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 『男はつらいよ』(原作・監督:山田洋次、主演:渥美清)の寅さんの心情をひとことで言うと、「顔で笑って、心で泣いて」でしょうか。これが多くのネイティブ・イングリッシュ・スピーカーに共通する心情だといったら、驚く人が多いでしょう。日本人が英米人に距離を感じてしまうのは、言葉そのものよりも、その奥に隠れた本音がつかめないからです。

英語の慰め表現は超ネアカ

 「3カ月後の3月末をもって会社は解散することになった」と日本支社長が告げました。新年の挨拶がこの言葉で始まり、集まった社員は誰もがショックを受けました。アメリカ本社から派遣されているごく少数の米国人社員を除いて、全員解雇になるとのことでした。ぼくを含めて日本人社員たちは打ちひしがれました。

 こんな時、ネイティブと日本人の違いが浮き彫りになります。日本人社員と同様にクビになるオーストラリア人同僚のマイクは平気な顔をしていました。

Maybe this is a blessing in disguise.
「これって悪い事じゃないよ。きっと良いことにつながっているんだ」

 と言ったのです。なお、disguise=変装ですから、直訳は「これは変装した祝福かもしれない」となります。ただし、ネイティブはそんな堅苦しいつもりで言ってはいません。

 クビを言い渡されて、「これは良いことだ」と思う人はいないでしょう。日本人従業員たちは詰問するような調子でマイクにwhyを浴びせかけました。彼のこの後の回答は名セリフでした。以下の4つの文がそれです。

Don’t worry.心配するなよ。
It’s OK.大丈夫だよ。
It’s not the end of the world.この世が終わるわけじゃないし。
It’s for the best.これでよかったんだよ。

 なぜ、名セリフかというと、マイクの言葉のどれ1つを取っても、単独で人を慰める時に使えるからです。ぼくは聞きながら、「これって励まし言葉のオンパレードだなあ」と思いました。マイクは別に根拠があって言ったわけではありません。

コメント14件コメント/レビュー

まず、クビになるオーストラリア人同僚のマイクが言ったという言葉 Maybe this is a blessing in disguise は「一見最悪に思える状況だけど、実は天が与えた祝福かもしれない」という意味合いがあります。(解雇されてしまった→ひどい苦難を味わったが、必死になって事業を始めたら成功し数年後には以前よりも数倍稼ぐようになった→あの時解雇されていなかったら今の祝福はなかっただろう)「これって悪いことじゃないよ」というとお気楽な印象を受けますが、実はもっとシビアな胆のすわった、自己を奮い立たせる言葉なのですね。母親がなくなった同僚にスティーブが言った It's O. K. は「大丈夫だよ」ではなく、It's O. K. to feel how you feel 「存分悲しんでいいんだよ、弱音をはいてもいいんだよ」のイッツ・オッケーであるかも、ですね。これらは「個」が土台となる文化の言葉から生まれる表現かと。筆者はもう少し英語力を鍛えられた方がよいと思います。(2013/10/04)

「TOEIC500点でも国際人になれる」のバックナンバー

一覧

「ネイティブの虚勢を見抜こう」の著者

林 則行

林 則行(はやし・のりゆき)

投資家

投資家。全く英語が話せないのに資産運用のノウハウ修得のため渡米、コロンビア大学MBAにぎりぎり合格。仕事力と日本人の強みを生かすことで、社内最低の英語力ながら海外運用機関で株式運用部長。現在独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

まず、クビになるオーストラリア人同僚のマイクが言ったという言葉 Maybe this is a blessing in disguise は「一見最悪に思える状況だけど、実は天が与えた祝福かもしれない」という意味合いがあります。(解雇されてしまった→ひどい苦難を味わったが、必死になって事業を始めたら成功し数年後には以前よりも数倍稼ぐようになった→あの時解雇されていなかったら今の祝福はなかっただろう)「これって悪いことじゃないよ」というとお気楽な印象を受けますが、実はもっとシビアな胆のすわった、自己を奮い立たせる言葉なのですね。母親がなくなった同僚にスティーブが言った It's O. K. は「大丈夫だよ」ではなく、It's O. K. to feel how you feel 「存分悲しんでいいんだよ、弱音をはいてもいいんだよ」のイッツ・オッケーであるかも、ですね。これらは「個」が土台となる文化の言葉から生まれる表現かと。筆者はもう少し英語力を鍛えられた方がよいと思います。(2013/10/04)

今回の内容は違和感がありました。米国で働いて10年以上になりますけど、確かに、米国人はどうにもならない状況でも"You'll be fine."などと慰めにもならないことを口走ったりして「無責任な!」などと怒りを感じたことはありますけど、日本人のほうが何を考えているのか分からなくて、コミュニケーションが難しいのは確かです。今回挙げられていた事例は、日本人はあらゆる事柄に情緒的にアプローチするのに対して、アメリカ人は理詰めで建設的に対応しようとするという違いから来ているのではないかと。9/11で消防士の写真を使うのとか、目標の達成が困難な状況で「顧客数が増えれば、目標の達成は可能です」などと発言するのは、本音を隠しているということではなくて、困難な局面においていかに建設的・肯定的に振る舞うか、というようなことだと思います。ぐじぐじ言ったり、ネガティブな感情を共有したところで、問題が解決するわけでもありませんので。あと、オバマ大統領はサンディフック小学校銃撃事件後の会見で涙を見せましたけど、おおむね好意的に捉えられていたと思いますよ。ジョージ・ブッシュ前大統領も人目も憚らずに泣いていたと思いますけど。(2013/10/01)

アメリカ人同僚の送別会の折、夫婦で日本滞在を回顧して涙した際に、盛んに自分の涙を弁解していたことがありました。泣くことを良しとしないという認識は映画などを見てうっすらとは持ってはいましたが、目の前の同僚のその姿を見て認識を深くしたことがありました。ただ、ラテン系の国など涙も肯定的に見る国もあるようですし、アングロサクソンでも、国や、育ちや、相手によって対応も変わるようですね。(2013/09/30)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授