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英文ニュースの裏にある真実を見抜く読解術

英文は6割分かればよい

2013年10月11日(金)

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 皆さんは、毎朝、新聞を読んでいることでしょう。日本語の新聞を読む時、私たちはいったいどの程度読み込んでいるでしょうか。妻から、「今日のニュースは何?」と聞かれても、ぼくはいくつかの大きな見出しくらいしか思い出せません。もしかしたら、6割も理解していないかもしれません。

 英文のニュースを読む時も、理解度を上げることより、記事の裏にある真実を考えることの方がよほど大事です。

読めないのは英語力が低いからではない

 「英文のニュースが読めない」と感じている人は、日本に関する英文記事を読んでみてください。ほとんど理解できるでしょう。よって、英語力の低さが理由ではないことが分かります。

 記事を難しくしている原因は固有名詞です。例えば、米ウオールストリートジャーナルの電子版の日本セクションに、RIKUZENTAKATAというタイトルのコーナーが長い間ありました。これを初めて見た時、ぼくには何のことなのか一瞬分かりませんでした。アルファベットを一文字ずつ読み下し、ようやく「そうか、陸前高田だ」と分かったのです。つまり、東日本大震災に関する記事が載っているコーナーでした。

 RIKUZENTAKATA という文字を目にして、「震災のことだ」と理解できる外国人は少ないのではないでしょうか。私たちが外国に関する記事を読む場合にも同じことが起きるわけです。ニューヨークの街路名や、パリに特有の食べ物の名前が、RIKUZENTAKATA のように何気なく出てきます。

 アフリカの奥地にある‘SHRINE’なるものを邦訳しなければならないことがありました。「神社」と訳すべきでないのは明らかでしたが、祠(ほこら)なのか廟(びょう)なのか、社(やしろ)なのか、どう訳していいか迷ったことがあります。見たこともない、その土地に固有のものは、文字を読んだだけでは想像できないものです。英語を読んでいると大なり小なりこうした問題にぶち当たります。

 「情報を仕入れる」とは、これまで知らなかったことを知ることです。もともと知らないことを明確に理解できるはずがありません。その上、見慣れない固有名詞が理解の邪魔をします。英文ニュースを読むときは、このことを心に留めておくだけでも気持ちが楽になります。

情報は少ないほど良い

 「情報を制する者が世界を制する」という言葉が人口に膾炙しているせいか、「情報はできるだけ多い方が意思決定に役立つ」と思っている人が多いのではないでしょうか。事実はこの逆です。

 有益な情報でさえあれば、少なくても事足ります。日々の生活で新聞の見出しくらいしか僕の頭に残らないのは、潜在意識が「それ以上の詳しい情報は要らない」と即座に判断しているからです。

コメント8件コメント/レビュー

前週、英語には丁重さがないと書き、読者からさんざん批判のコメントを書かれながら、翌週、それを読者の誤解、と切り捨てるとは、全く驚きだ。(2013/10/15)

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「英文ニュースの裏にある真実を見抜く読解術」の著者

林 則行

林 則行(はやし・のりゆき)

投資家

投資家。全く英語が話せないのに資産運用のノウハウ修得のため渡米、コロンビア大学MBAにぎりぎり合格。仕事力と日本人の強みを生かすことで、社内最低の英語力ながら海外運用機関で株式運用部長。現在独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

前週、英語には丁重さがないと書き、読者からさんざん批判のコメントを書かれながら、翌週、それを読者の誤解、と切り捨てるとは、全く驚きだ。(2013/10/15)

前回の反応への言及は今回の文末の一言だけで終わりですか?多くの反論が誤解だというのなら、その詳細を明らかにして欲しいところです。(2013/10/13)

連載、興味深く読ませていただいています。今回の記事は英語から離れた内容なので、その点は期待していたものと違いました。記事の内容は、いわゆるインフォメーションからインテリジェンスを生み出す話ですので、誰もが一度は見聞きして学んでおいた方がよいことだと思います。諜報機関と呼ばれる組織においては、公開されている情報(インフォメーション)から行動決定に必要な判断材料(インテリジェンス)を生み出す作業がとりわけ重要だとの言説を書物で読んだことがあります。英語云々ではない場所に上げた方が良い記事だと思いました。(2013/10/11)

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三品 和広 神戸大学教授