• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「仕事力」を武器に国際人を目指せ

英語ができても仕事ができない人は案外多い

2013年11月8日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 読者のみなさんの中には海外や多国籍企業で働いてみたいと思っている人がいるのではないでしょうか。そういう人のためにアドバイスをするなら、仕事力を伸ばすことが大事です。「英語力も仕事力もこれから磨かなくてはならない。どうしよう」というなら、優先すべきは仕事力の向上です。

英語の上達には大きな犠牲が伴う

 ぼくはこの連載で「英語以外の力(仕事力とコミュニケーション力)を高めることで国際人になれる」と訴えています。実感として「英語の実力を上げるのは並大抵のことではない」からです。

 ぼくがもし、もう一度人生をやり直せるとしたら、「日本語と同じように感情を込めて話せるレベルに英語力を高める」努力をするかどうか熟考することでしょう。ひと言で言って、途方もなく大変でした。

 これは、ぼくに限ったことではありません。かつて部下だった中国系マレーシア人の趙君は、漢字の読み書きの勉強を犠牲にして小学生の時から英語を学びました。それでもネイティブのレベルには達していません。

 趙君は小学校の頃からアメリカンスクールに通い、大学を卒業するまでずっと英語で授業を受けてきました。両親や妻とは広東語で話しますが、漢字の読み書きはほとんどだめ。読み書きや仕事での会話はすべて英語です。

 ある時、ぼくと趙君との間でこんなやりとりがありました。中国で反日ムードが高まっていた時のことです。ある英字新聞を見ると、プラカードを掲げたデモ隊が上海の街を練り歩く写真が載っていました。趙君は「この写真、変だよ」と指摘しました。

 プラカードに載っている日本の首相の顔に大きく×印がついていました。そして、その下に「大」の文字。「大」は「大きい」の意味だから、首相は大人物だ、ということになる。デモ隊の趣旨に合わない、というのです。

 ぼくが新聞を借りてよく見ると、この文字は「大」ではなくて「犬」でした。つまり、こいつは人じゃない、犬畜生なみだ、という意味でした。趙君は「大」と「犬」の区別がつかなかったのです。そのくらい漢字を知らなかったのです。

 彼は、それだけ英語に浸かって生きてきたわけです。そんな彼でも「ネイティブが早口で議論を始めるとついていけない」と言います。彼は自分の英語力を、「ネイティブを100点とすると70点くらいだ」と評価していました。中国系の彼が漢字の読み書きを犠牲にしてまで英語に浸かっても、ネイティブと同等にはなれないのです。

 マレーシアの金融界はマレーシア人同士の取引でも英語で行う風土です。ですから、漢字の読み書きを犠牲にする生き方が許されるのでしょう。しかし、日本企業では、漢字が読めない帰国子女は通用しません。日本人として生きるには趙君以上に母国語を大事にせざるを得ないのです。そして、日本語の学習に時間を割けば、その分、英語の上達が遅れることになります。

コメント2

「TOEIC500点でも国際人になれる」のバックナンバー

一覧

「「仕事力」を武器に国際人を目指せ」の著者

林 則行

林 則行(はやし・のりゆき)

投資家

投資家。全く英語が話せないのに資産運用のノウハウ修得のため渡米、コロンビア大学MBAにぎりぎり合格。仕事力と日本人の強みを生かすことで、社内最低の英語力ながら海外運用機関で株式運用部長。現在独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授