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第14回 私が考える「逃亡論のススメ」

日常の“箱”から逃れて自由になる

2013年11月21日(木)

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 正直に申し上げて、私自身逃げ出すとほっとする。どこにいても、一定の時間がたつと、そこに居づらくなって逃げ出すのだ。ことと次第によって、この「一定の時間」の長さはいろいろだが、結局逃げ出す点では共通している。

 他方、私はかねてから人や組織が持つ「強み」について研究・提唱している手前、「逃げ出す」習性を簡単には口にできなかった。「逃げ出す」というのは、常識的には「弱み」に類することだから、自分の主要な特徴の1つとして「どこからでも逃げ出してしまうんですよ。一定時間がくると」などとは、口が裂けても言わなかった。加えて、憧れてなった外交官という最初の職業から、夢破れて逃げ出したという逃亡トラウマもあり、逃亡はずっとタブーマターだった。

 しかし、二十余年がたち、逃亡トラウマの傷口がカサブタで塞がるにつれて、話をする口の方はどうやら少しずつ裂け始めた。というのも、カサブタのしぶとい色を見ながら、こう気づき始めたからだ。逃げ出すことが、自分の本質的な強みに繋がっているかもしれないと。

 いい気なもので、そのように見えてくると、ひょっとして、「逃亡」が「強み」を引き出すカギであるという意外な関係は、自分に限ったことではなくて、多くの人にも当てはまるかもしれないと思い始めた。会社や役所などの「箱」にポチのようにちんまり納まっている時には、その人の強みエネルギーもちんまりとしがちだが、その箱から逃亡すれば、一挙に強みエネルギーが奔放にほとばしり出るのではないか。

 近年とみに重視されているイノベーションやクリエーティビティーに必要な、outside the box thinking(箱の外での思考)とは、箱から逃亡する思考ではないか。さらに最近は、inside new boxes thinkingと言って、新しい箱の中で考えるのがクリエーティビティーに重要だという説も出てきているが、新しい箱に入るにも、古い箱から逃亡することが必要ではないか。今回はそういう逃亡について書いてみたい。

「逃亡」の基本的な枠組みを設定する

 まず、基本的で身近な逃亡の例をシンプルな形で挙げてみよう。

 「私は、オフィスから逃げ出して、丸の内界隈・公園を徘徊して、喫茶店に逃げ込む」。これはいわば逃亡論の基本文型だ。ただ、コンサルタントである私は、基本文型を見ると「軸」を設定したくなる。その欲望からは逃亡できない。そこで、この例に即して、逃亡論の基本となる2つの軸を設定する。

 第1の軸は、逃亡のプロセスだ。これは、「逃げ出す」⇒「動く、徘徊する」⇒「逃げ込む」である。第2の軸は、そういう逃亡のプロセスが起きる場面で、上記の例で言えば、「オフィス」や「公園」や「喫茶店」である。

 2軸を設定した私は、それを表の上に配置したくなる。まず、逃亡のプロセス(時間軸)を、表の上端に配置する。続いて、逃亡プロセスが生起する場面を、表の左端に配置する。

(1)ここで、もはや新人コンサルタントとは到底言えない私は、経験・年相応に、「単なる『表』では芸がないから、『マトリックス』に仕立てよう」と思い立つ。マトリックス(行列)では、普通、縦(列)も横(行)も複数になるからそうしようと思う。早速エクセルの表を思い浮かべる。上端の行の逃亡のプロセスは、既に「逃げ出す」「動く」「逃げ込む」という具合に3つのセルを埋めているから、既にマトリックスらしくなっている。問題は左端の列だ。ここも3つくらいに場合分けしよう。そうすれば、3×3の美形(マトリックス美人)ができるではないか。

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「第14回 私が考える「逃亡論のススメ」」の著者

キャメル山本

キャメル山本(きゃめる・やまもと)

デロイト ディレクター

外交官を経て、経営コンサルタントとして組織・人材のグローバル化を支援。BBT大学でリーダーシップを講義。2013年からグローバル人材育成の為のプログラムを開発・提供。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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