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脳が勝手に動き出す「計算力」のツボ

2013年12月10日(火)

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 事実を知るために汗をかく。考えるために必要な情報やデータを探す。その作業に時間をかけてこそ、意味のある示唆を得られる。そのスキルを「計算力」と定義して、拙著『ビジネスプロフェッショナルの教科書』(日経BP社)の内容をベースに、いくつかの基本的なテクニックを紹介する。

 旬の食材を使って何かを作ろうとする料理人は、まず素晴らしい食材を手に入れるために足を使い、その食材にひと手間かけて、最高の料理に仕上げていく。計算力を使ったロジカル思考は、まさにこうした作業にほかならない。

 まずは前回紹介したロジカル思考ツール「PAC」を使って、原因仮説の応用編を解いてみたい。テーマは「出生率の低下が、本当に人口減少の原因なのか?」。この言説を噛み砕き、自分の意見を持つためには、いくつかのデータを検証し、計算力を発揮することが求められる。

 おさらいになるが、PAC思考とは、議論(argument)をロジカルに構造化する手法だ。P・A・Cの3つの要素に分解して、議論をわかりやすい関係にする。3要素は次の通り。

★Premise(前提・事実)
★Assumption(仮定条件)
★Conclusion(結論)

このデータの「ウソ」を見抜けるか?

今回のテーマをこの3つの要素に整理すると、こうなる。

★P(事実):出生率が低下している
★C(結論):人口が減少している
★A(仮定):出生率低下が人口減少の主たる原因である

 ここから、若い世代の未婚率や出産年齢の高さに対する非難に議論が発展するとしたら、大いに問題がある主張だ。

 根拠としているのは図1にある、戦後の出生率低下と人口自然増減率のグラフ。ここ数十年の間に、出生率が急激に低下し、これが人口減少の直接原因であるように見える。

 しかし、このデータは明らかにおかしい。そもそも抽出データを戦後の出生率と人口増減率に限定していることに恣意性を感じる。比率を使っているのも問題だ。出生率の分母は国民全体であり、出産可能な世代の出生率とは異なる。平均寿命が急激に伸びる中、出産可能な世代の割合が減るのは当たり前。これを修正せずに議論してよいのか。

 こうした歪みを補正するために、各データを明治時代までさかのぼってみる。すると、次ページの図2のような事実が見えてくる。

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「脳が勝手に動き出す「計算力」のツボ」の著者

斎藤 広達

斎藤 広達(さいとう・こうたつ)

事業再生コンサルタント/理論社社長

1968年生まれ。シカゴ大学経営大学院修士(MBA)取得後、ボストン・コンサルティング・グループ、シティバンク、ローランドベルガーなどを経て独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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