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「バリュープロポジション」で考えるスマホ、クルマの未来

2013年12月17日(火)

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 この連載の第1回第2回では、仕事に応用できる論理思考のフレームワーク、「計算力」の鍛え方を取り上げた。今回は拙著『ビジネスプロフェッショナルの教科書』の内容をベースに、より実際のビジネスに直結した戦略、マーケティング関連のMBAスキルについて、お話ししたい。

 アメリカ西海岸に「ホインター(Hointer)」というショップがオープンし、話題になっている。スマホを活用した、これまでになかったタイプの店舗だ。

 ホインターは150を超えるプレミアムジーンズを扱う。これだけ数があると、陳列や販売のスペース確保が大変そうだが、店舗はびっくりするぐらいスッキリしている。大量の商品が置かれた棚は見当たらない。あるのは吊るされたジーンズだけだ。

 棚を作って色やサイズを取り揃える代わりに、1、2本がサンプル的に吊るされている。それぞれ十分にスペースがある。じっくり吟味できそうだ。一方で、自分のサイズが運よく見つかる確率は低い。少々手を抜いた店舗オペレーションにも見える。

 ハリウッドの高級ブランドショップのジーンズ版かと思いきや、店内ではテクノロジーを使った新しいアイデアが実現されている。顧客は店舗に入ると専用のスマホアプリをダウンロードする。そして、そのアプリを使いながらショッピングをすることになる。

 気に入ったジーンズが見つかったら、スマホをかざして自分のサイズを選ぶ。すると、フィッティングルームの番号が表示される。フィッティングルームには自分のサイズの商品が用意されている。サイズがぴったりで買う気になったら、クレジットカードで決済すればOK。レジに行く必要もない。

 これなら、少ない陳列スペースで済む。ストレージスペースも効率的に運営できる。余分な人件費もかからない。その分を価格に反映させたり、品揃えや豊富な在庫に振り分けられる。同社のサイトのPR動画では「通常の店より10倍は効率的だ」とコメントされている。

「ゼロベース」は現実にはそうそう訪れない

 この事例には、マーケティングや戦略に関する様々な要素が含まれている。最新のテクノロジーを使った伝統的な商品の販売。単にアプリを使うという点だけでなく、在庫オペレーションの最適化などデータベースを活用したマーケティングを実践している。

 販売員による接客もなく、支払いも単純。店のスタッフから薦められる商品を断ることにストレスを感じる人は少なくない。そんなストレスを解消することで、新しい販売スタイルを創出したとも言える。

 リアル店舗のオペレーションをアジャストした新しいスタイル。ネットとリアルをうまく組み合わせたビジネスモデル。あるいは、購買プロセスやバリューチェーンを分解して、優位性のある戦略ポジションを作った事例とも言えそうだ。

 この店が中長期的に成功するかはわからない。それでも、戦略変数の中から何を選び、どう組み合わせるのか、という点で示唆に富んでいる。具体例は頭の体操になり、戦略とマーケティングの基本を学ぶ際の大きな助けになる。

 戦略とマーケティングと言っても範囲は広い。営業活動のちょっとした改善策を見つけることから、企業の商品戦略をがらりと変える大掛かりなものまで、多くのテーマがある。

 ポーターの「ファイブフォース」で大げさな戦略ポジションを組む、ブランドを生き返らせるために巨額のマーケティング投資をするなど、会社の命運を左右する局面もある。そんなときに戦略的思考法やマーケティングのフレームワークを知らないと、結果として無謀な賭けをすることになる。

 ただ、会社の行く末を左右するような大イベントは、ビジネス人生でそう何度もあるわけではない。既存の戦略ポジションやマーケティングの4P(Product、Price、Promotion、Place)を修正してどう成果を出すか。普段の業務ではこうしたテーマ設定が中心になる。ゼロベースですべて変えればよいわけではない。まず伝えたいのはこれだ。

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「「バリュープロポジション」で考えるスマホ、クルマの未来」の著者

斎藤 広達

斎藤 広達(さいとう・こうたつ)

事業再生コンサルタント/理論社社長

1968年生まれ。シカゴ大学経営大学院修士(MBA)取得後、ボストン・コンサルティング・グループ、シティバンク、ローランドベルガーなどを経て独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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