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アップルの急減速、シャープの大赤字決算書を読み解く

2013年12月24日(火)

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 勝手にロジカルな結びつきを見つける人の脳は時々“悪さ”をすることがある。

 新規事業がうまくいっていると、その会社の業績が良いと思い込んでしまう。あるいは、ほんの小さな躓きがまるで会社の屋台骨を揺るがすかのように考える。

 企業の戦略が実を結んでいるか、数字に落とし込んで考えれば間違った認識を避けられる。四半期業績開示、アニュアルレポート、有価証券報告書など公開されている情報はいくつもある。自分が投資家になったつもりで、その企業の戦略やマネジメントの有効性を判断すればよい。

 1人でリフティングをしているだけのサッカー少年は、いつまで経ってもチームでレギュラーになれない。ライバルと比べて、何が自分の武器になるのか、勝てない部分はどこなのかがわかれば、強みをさらに磨く努力や、欠点を平均まで持ち上げる策が浮かんでくる。財務諸表の見方もこれと同じだ。同業他社などと「比較する」視点が特に大切と言える。

 財務情報を読み解くスキルを身につけるには、最初は我慢して事例を見続けるしかない。すると、だんだんとポイントがつかめてくる。数字を見るのが楽しくなる。以下、拙著『ビジネスプロフェッショナルの教科書』の内容をベースに財務諸表の読み解き方を解説する。

 一時期は全企業のお手本としてもてはやされたアップルも、今や減速論やビジネスモデルの限界説などがささやかれている。ネットニュースなどでは、誰もが勝手なことを言うものだ。

 ここで少し時計の針を巻き戻し、2013年4~6月の同社の四半期決算(10Qレポート)を眺めてみたい。業績に急ブレーキがかかった時期でもあり、この四半期決算から学ぶべき点が多い。

英語の資料は、「10Q」がオススメ

 業績の乱高下があると報道された企業があったら、まずは10Qを見ることをお勧めしたい。年度業績を記した10Kレポートに比べるとページ数も少ないし、内容もコンパクトにまとまっている。英語が得意でない人にとって、ちょうどよい入門教材として使える。

 アップルの業績について、2012年9月期の10Kと、2013年4~6月(第3四半期)の10Qを見ていく。アップルはiTunesなどのソフトやアプリで儲ける企業ではなく、収益源はガジェット販売。顧客を魅了するバリュープロポジション(前回参照)を打ち出し、高付加価値のデバイスを売っている。

 図1は過去3年間のConsolidated Statements of Operations。直訳すると「連結運営書」だが、基本的に損益計算書(PL)と同じもの。2012年9月期のNet Sales(売り上げ)は15.7兆円、Cost of Sales(売上原価)は8.8兆円、Gross margin(売上総利益)は6.9兆円になっている(注:計算を簡便にするため、1ドル=100円として日本円に換算。以下、同様)。

図1 アップルの連結運営書(いずれも9月期)
出所:アップルHP

 売上高原価率は56%。高機能のガジェット事業で44%もの粗利益率を実現するとは、それだけ高い価値を生み出し、生産コストをコントロールしながら販売していると言える。

 Operating Expenses(運営費)として括られた中に、Research and development(研究開発費)3400億円、Selling, general and administrative(SG&A、販売費及び一般管理費)1兆円があり、総額で1.3兆円。それぞれ売上比で2.2%、6.4%とかなり低い水準になっている。

 驚くべきはOperating Income(営業利益)の5.5兆円だ。売上高営業利益率は35%と、ほかでは見られないような高い数値になっている。これほどの高収益企業は、なかなか存在しない。

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「アップルの急減速、シャープの大赤字決算書を読み解く」の著者

斎藤 広達

斎藤 広達(さいとう・こうたつ)

事業再生コンサルタント/理論社社長

1968年生まれ。シカゴ大学経営大学院修士(MBA)取得後、ボストン・コンサルティング・グループ、シティバンク、ローランドベルガーなどを経て独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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