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統計学と「パーキング理論」でリスクと向き合う

2014年1月14日(火)

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 ビジネスで成果を上げるには、どこかでリスクを取る必要がある。しかし、我々はそもそも「リスク」の意味を正しく理解しているだろうか。連載の最後となる今回は、拙著『ビジネスプロフェッショナルの教科書』の内容をベースに、統計的な視点とメンタルな視点からリスクをとらえ、対峙していく方法を解説する。

 本来、リスクは不確定要素(uncertainty)と同じものだ。

 不確定要素がネガティブな方向に振れて、その結果、損害や被害を伴うのがリスク。不確定要素がポジティブに振れた場合は対応する言葉がない。無理やり表現すると「運が良い」になるだろう。いずれにせよ、コントロールできない不確定要素と付き合うことと、リスクを取ることはほぼ同義語と考えてよい。

 uncertaintyは、もやもやっとしたニュアンスがよく出ている単語だ。日本語の不確定要素や不確実性とは違い、もっと自然な日常表現と言える。

 グーグルの10K(年度業績)レポートでは、次のような表現を使ってリスクを定義している。

Our operations and financial results are subject to various risks and uncertainties, including those described below, which could adversely affect our business, financial condition, results of operations, cash flows, and the trading price of our common stock.

 何ともシンプルでわかりやすい。英語は訳さず、そのままの順番で理解した方がはるかに簡単だと実感できる典型例。

 日本のビジネス界でuncertaintyという言葉を耳にすることは少ない。不確実性などと口にするとまるで無責任な人のように聞こえてしまう。たとえば、花王の有価証券報告書では、リスクについて次のように説明している。

 「企業が事業を遂行している限り、さまざまなリスクが伴います。(中略)しかし、以下のような予想を超える事態等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります」

コントロールできないことには2種類ある

 こうしたリスクを背負う経営者は大変な職務だと実感する。コントロールできないuncertainty(便宜的に「不確定要素」と呼んでおく)に対しても、責任を取らなければならないのだから。

 不確定要素は言うことを聞かない猛獣のようなもの。まったくコントロールできない。できないことは諦める。コントロールできないなら、付き合い方を考える。どんな種類があって、いつ暴れるのか知っておく。これが大事な姿勢だ。

 まずは、2つの不確定要素があることを知っておこう。内部の不確定要素と外部の不確定要素。野球のバッティングで考えるとわかりやすい。打席に入ったバッターがヒットを打つためには、投手が打ちやすいコースに投球ミスをする可能性(投手側の不確定要素)と、自分がしっかり打てる可能性(打者側の不確定要素)の2つがかみ合う必要がある。投手の失投を空振りするのは、異なる方向に振れた不確定要素が結果につながらなかったケースだ。

 野球では打率という確率値が使われる。とてもわかりやすい。プロ野球選手は打ち損じがないと仮定すると、打率はピッチャー側から見た「打たれるリスク」を数値化したものになる。その逆は打ち取れる可能性(打者側のリスク)になる。

 ビジネスでも同じ考え方が使える。市場や競争環境がどう振れるかは正確に予測できないし、その中で優位性を持った戦略や製品を打ち出せるかも不確実だ。自社の内的リスクと、膨大な外的リスクに対峙しながら、結果を出すことが求められる。

 グーグルの10Kレポートでは数ページにわたってこうしたリスクがリストアップされている。リスクと付き合う具体的な方法を紹介する前に、次のページの英語の文章からそのニュアンスをくみ取ってほしい。

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「統計学と「パーキング理論」でリスクと向き合う」の著者

斎藤 広達

斎藤 広達(さいとう・こうたつ)

事業再生コンサルタント/理論社社長

1968年生まれ。シカゴ大学経営大学院修士(MBA)取得後、ボストン・コンサルティング・グループ、シティバンク、ローランドベルガーなどを経て独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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