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45年前の米国企業の失敗の轍をより深く踏む日本企業

本当のグローバルマインドセットとは何か?

2014年1月20日(月)

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今回取り上げるのは――
Perlmutter, H. 1969. The tortuous evolution of the multinational corporation.

Columbia Journal of World Business, 4 (1): 9-18.

 昨年の後半に、この欄で1972年に出版された中根千枝『適応の条件 日本的連続の思考』を取り上げました。その趣旨は、日本人・日本企業のグローバル化の今日的課題が、40年前に指摘されているという点でした。この本はいくつかの企業の幹部研修でも使ったのですが、ある大手金融機関では国際業務部の部長クラスの方からも「非常に参考になった」とフィードバックを受け、うれしいような悲しいような気持ちを持ちました。(※記事はこちら→「40年前に語られた、日本のグローバル化の課題」)

1969年に始まった「グローバルマインドセット」論:エスノセントリックとポリセントリックとの違い

 そうした日本企業のグローバル化について、年末に学会(Academy of International Business)に出す論文を書いていて出合ったのが、今回ご紹介するパールムッター教授の論文です(ちなみにColumbia Journal of World Businessは1997年よりJournal of World Businessと名前を変えています)。『適応の条件』よりもさらに3年前、1969年の発表です。

 私の論文のテーマは「Quasi Global Mindset」つまり「グローバルマインドセットを持ったつもり」についてです。中根千枝氏の著作を紹介した時に少し触れたのですが、昨年まで行ったプロジェクトで行ったグローバルと言われる様々な日本企業の国際担当役員や担当部長さんのインタビューを「グローバルマインドセット」という理論的枠組みから見直してみたものです。

 経営学者がする「グローバルマインドセット」の定義は、マスコミで「グローバルな視野」「グローバル時代の経営者」という時に前提としている内容とほぼ同じであると思います。一般には文化面と戦略面の2つの要素があるといわれます 。文化面とは、多様な文化・価値観にオープンでそこから学ぼうという姿勢であり、戦略面とはそうした様々な文化的あるいは国の違いを活かしながら、一方で企業として一貫したアイデンティティや戦略を持つことです。お分かりのように、言うは易く、行うは難しの典型ですが、そうしたマインドセットが今後ますます求められることは間違いないでしょう。

 この「グローバルマインドセット」を論じた嚆矢がパールムッター教授です。彼はそもそも企業の「グローバル度(the degree of multinationality)」を考える時に、様々な基準があり、一概に定義できないとしながら、経営幹部のマインドセットが重要であり、おおむね3つに分けられると指摘します。「グローバルマインドセット」という言葉は使っていませんが、その3つとはethnocentric(エスノセントリック-本国中心の視点)、polycentric(ポリセントリック-進出国中心の視点)、そしてgeocentric(ジオセントリック-世界的な視点、グローバルマインドセットと同じ意味合い)です。

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「45年前の米国企業の失敗の轍をより深く踏む日本企業」の著者

清水 勝彦

清水 勝彦(しみず・かつひこ)

慶應義塾大学大学院教授

東京大学法学部卒業。ダートマス大学エイモス・タックスクール経営学修士(MBA)、テキサスA&M大学経営学博士(Ph.D)。戦略系コンサルティング会社のコーポレィトディレクションを経て研究者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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