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第16回 外の刺激で中から変わる道筋に学ぶ

2014年2月7日(金)

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 昨年9月から、日本企業のグローバル化について、デロイト トーマツ コンサルティングのGlobal Management Instituteでリサーチを行っている。私が専門領域としている「組織と人材のグローバル化」に焦点を当てたリサーチだが、環境やミッション、ビジョン、バリュー、戦略などにも目配せして、企業全体のグローバル化について考えている。

 今年8月末までに完結させる予定だが、本コラムで、途中経過を随時紹介していきたい。もともとこのコラムでは、個人に焦点を当ててどうやってグローバル人材になっていくかを考えてきたが、このテーマも、企業組織のグローバル化という文脈で引き続き追いかけたい。おいおい明らかにするが、できれば企業組織のグローバル化と個人のグローバル化を、なるべく同じフレームワークでとらえることで両者の軸を合わせていきたい。それでもって、企業でまじめに楽しく日本人として普通に働くことが、そのままグローバル人材作りにつながるような軸合わせを構想する。

 いわば、今回からコラムの内容について前に述べた通りギアチェンジするのだが、その1回目は、日本企業のグローバル化について、歴史的な視点でレビューをしたい。日本の歴史の上でお馴染みの時期を取り上げるが、現代日本企業のグローバル化の本質を考えるうえで参考になりそうな要素のみに光を当てる形でお話する。少々読みにくくなり、また、長くなってはしまうが、そのような歴史的な経験から連想される、現代日本企業のグローバル化についても、適宜、言及することとしたい。

これまでに3度、海外の文明・文化に刺激を受けて国の姿を変えてきた日本

 さて、日本史を省みると、これまでに3度、日本が国外の文明・文化という刺激によって(つまり「外発的」に)、国の姿を根本的に変えようとした時期があった。

●第1幕(645年-1850年、※645年の「大化の改新」を含む)

 まずは、7世紀に中国(唐王朝)から「律令制度」などを取り入れた時である。仮に、ある時代のグローバルスタンダードを決めるのがその時代の先進国であるとすれば、唐王朝は紛れもなく当時の先進国であり、その唐王朝でできた律令制度を取り入れた大化の改新は文字通りその時代における最先端の仕組みを我が国に取り入れるという変革である。その意味で日本の歴史上、律令制度を摂取した「大化の改新」は外発的グローバル化の第1幕である。

 しかし、話はもう少し込み入っている。というのは、中国については、唐ではなくて、その後の宋の時代に、今日的なグローバル化に近い制度変革が起きているからである。すなわち、宋の時代に、非常に自由で流動性の高い、今日のグローバル化を彷彿とさせる仕組みが作られたのだ。そういう宋の制度と比べると唐の律令制度は土地への縛り付けを強化するアンチ・グローバルな性格を持つ。

 つまり、第1幕の外発的なグローバル化の中身は、現代のグローバル化の方向性と比べると真逆の方向性を持ったローカリズムだったということである。そのローカル志向が効いたのかどうかはともかく、果たして、日本は内向きに戻り、9世紀末の遣唐使の廃止に象徴されるように、グローバル(=中国)への関心が萎み、その結果として独自の文化的兆候が表れる(摂関政治、神仏習合、かな文字など)。

 「内」対「外」(=「ローカル」対「グローバル」)という軸と並んで、今日的な視点から興味を引くのは、他律と自律の軸である。大化の改新から中世(鎌倉・室町時代を含む)にかけては、各ローカルでは自律性が比較的高いレベルで保たれていた(農民も非常時には自身が帯刀してサムライに早変わりするような「自力救済」を旨としていた)。

 しかし、その後、応仁の乱を契機とする戦国時代以降は、身の安全をお上に委ねる制度(つまり他律性が高い制度)に変質していき、その制度が江戸時代に完成する。もっともこれは安全面・政治面についての話であり、作業面・経済面で見ると、江戸時代でも農村における対外的な自律性は高く、それは内向きの協力体制と平等性とセットになっていた。すなわち、江戸時代において、安全・政治面での他律性(お上頼み)と作業・経済面での自律性・協力性・平等性、というパターンがほぼ確立したようだ。

 そして、この意味での「江戸モデル」は、現代日本企業の組織的な特徴に底流としてつながっていく。現代企業と江戸時代の農村という両者の間の大きな差異にもかかわらず、戦後を含め、現代日本企業の従業員のかなりの部分が、農村地域から供給されたことに鑑みれば、そういう人々の移動を介して、農村ムラ社会の組織的・人間関係的な癖(型)が、現代企業で具体的な作業の形は変えつつも(例:農作業から工場労働・オフィスでの知的作業に変化)、再現されていることは、さほど荒唐無稽な話ではないだろう。

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「第16回 外の刺激で中から変わる道筋に学ぶ」の著者

キャメル山本

キャメル山本(きゃめる・やまもと)

デロイト ディレクター

外交官を経て、経営コンサルタントとして組織・人材のグローバル化を支援。BBT大学でリーダーシップを講義。2013年からグローバル人材育成の為のプログラムを開発・提供。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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