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あなたの会社が理不尽な理由

組織の不合理さを説明する制度派理論の示唆(上)

2014年4月7日(月)

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今回取り上げるのは――

Meyer, J. & Rowan, B. 1977. Institutionalized organizations: Formal structure as myth and ceremony. American Journal of Sociology, 83(2): 340-363.
DiMaggio, P.J. & Powell, W.W. 1983. The iron cage revisited: Institutional isomorphism and collective rationality in organizational fields. American Sociological Review. 48: 147-160.

 4月を迎え、多くの新人が入社されたことと思います。様々なイベントが開かれ、歓迎の言葉が聞かれる一方、一流企業、日本を代表する企業に希望に胸を膨らませて入ったはいいが、「うちの会社はなんて理不尽なんだ」と感じるのに、そんなに時間はかからないかもしれません。実際、あの伝説のCEOジャック・ウェルチだって「出社初日に幻滅を味わうことになり」「わずか1年で、GEの官僚的な体質がもとで会社を辞める寸前にまで事態が進む」ことになったのですから(*1)。

(*1)ジャック・ウェルチ2005年『わが経営・上』(日経ビジネス人文庫)

 なぜ、経済合理性を追求するはずの会社で理不尽なことが起きるのでしょうか? さらに言えば、なぜどんな会社も、もっと広く(官庁や役所、学校なども含めた)組織全般は、同じようにおおむね理不尽なのでしょうか(もちろん例外はありますが)?

「なぜ多くの組織は似通っているのだろう?」

 そのあたりと関連して、今回取り上げるのはinstitutional theoryの古典2つです。institutional theoryは、一般には「制度派理論」と訳されていますが、要は会社や組織の在り方は、それだけで決まるのではなく、取り巻く社会の制度、仕組み、文化に大きく影響され、また影響を与えるというものです。後で触れますが、ここでいう「制度」「仕組み」とは、明文化された法律や規制だけに限りません。そうしたほうがいいという社会的な「風潮」「流行」あるいは「空気」も含まれます。逆に言えば組織、例えば企業は効率性、合理性だけを追い求めているわけではないということです(最近の経営学では、合理性の前提に偏重した企業研究に対する反省から、より現実的な前提を置くべきだということでinstitutional theory やbehavioral theoryが戦略や国際化の研究にどんどん取り入れられています)。今回はこの理論の紹介を中心に、そして次回でビジネスパーソンへの示唆を考えたいと思います。

 この理論の根本は、イエール大学のディマジオ、パウエル両教授の論文の冒頭にある「なぜ多くの組織は似通っているのだろう(What makes organizations so similar?)」という質問に象徴されます。それまでの多くの研究は、組織間の違いを解明しようとしてきたのに対して、ある意味コペルニクス的な視点の転換を迫るのです。まさに以前このコラムで取り上げた「That's interesting」を地で行く問題設定です。

 ちなみに「何が同じか」「何が違うか」の両方を明らかにしなくてはならないという点は、経営の極めて重要なポイントです。例えば国際化に関しての書籍を読むと海外市場の「違い」ばかりが強調されていますが、旅行のガイドブックと同じでそうしたほうが「売れる」からであって、大切なのは「同じ」ものは何か、つまり「日本で培ったもので何が通用するのか」をもはっきりさせ、「何を変え、何を変えないのか」を明確にすることです。この点は今回の本題ではありませんので、このくらいにしてまた別の機会に。

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「あなたの会社が理不尽な理由」の著者

清水 勝彦

清水 勝彦(しみず・かつひこ)

慶應義塾大学大学院教授

東京大学法学部卒業。ダートマス大学エイモス・タックスクール経営学修士(MBA)、テキサスA&M大学経営学博士(Ph.D)。戦略系コンサルティング会社のコーポレィトディレクションを経て研究者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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