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「自分で気づく」から自分を変えられる

野村ノートの源流:データの背景にある人間組織への洞察(上)

2014年10月6日(月)

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今回取り上げるのは――
野村克也『負けかたの極意』(2013年講談社)、『そなえ』(2012年大和書房)ほか

 9月はスペインでの学会や、英語で新しいクラスを開講する(Uncertainty and Managementというクラスです)準備に時間を取られ、1回お休みしました。頑張ってまた再開です。

 今回、野村克也元監督の著書を取り上げてみようと思った理由は2つあります。1つは次回のこのコラムの最後に申しあげますが、もう1つは指揮者の小澤征爾さんと関係があります。なんでしょうか?

 こんなところで時間を使っていても仕方がないので、結論から言えば、「教え子にインパクトを与える指導者」ということです。小澤征爾さんの著書には、繰り返し斎藤秀雄先生の話が(畏敬を少し伴って)出てきますし、最近日本チームのコーチに復帰された井村雅代氏にも同じことが言えそうです。

 野村元監督のことは、多くの教え子から、例えば2004年、2008年のオリンピックチームの主将を務めた元ヤクルトの宮本慎也氏であったり、楽天を引退して、外見からはうかがい知れない(失礼)味のあるコラムを日経新聞で書かれている山崎武司氏であったりから、「監督との出会いが大きかった」と言われています。必ずしも人気があったかどうかは別にして、振り返ってみて「あの人との出会いが大きかった」と言われることこそが、いつの間にか先生と呼ばれる立場になった自分の目指すところであると強く思うのです。

 ちなみに、ちょうど1年ほど前のWall Street Journal に「Why tough teachers get good results」という記事が掲載されて、少し話題になりました。「ほめて育てる」本場のアメリカにあって、とても厳しかった(torturedという言葉が使われています)「Mr. K」、これも指揮者の、恩師のことを書いたコラムです。

 「Mr.K. はあまりにも厳しく、今だったら首になっているかもしれない。しかし、彼の教え子の成功っぷりには感嘆するばかりだ。ほめることが重視されるアメリカの生徒が基礎学力で他国に大きく後れを取っている今、Mr.K.の教え子の成功は、何を意味するのだろう」という問題提起から、8つのポイントが指摘されています。さかのぼって2011年にも「ほめることで子供の可能性を摘んでいる」と言い切ったChinese Tiger Motherの記事(1月8日)があり、いつかご紹介したいと思います。

 野村元監督の著書でおそらく一番有名なのは『野村ノート』ではないかと思いますが、今回あらためていろいろ読んでみて、むしろ最近のもののほうがこなれてきて(というか、たくさん本を書くと、どうしても重複してくるところが出てきて、面白いところが絞られてくるというのもあると思うのですが)、野球選手以外にも多くの示唆があるのではないかと、『負けかたの極意』『そなえ』を中心に取り上げてみました。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

 まずは、おそらく野村元監督の多くの名言のうちの最も有名と言われるものから始めてみたいと思います。「人間は、勝ちよりも、負けや失敗から学ぶことが多い」というのが野村元監督の持論であり、それこそが彼をして(本人によれば)たいした才能もないのに、選手としても監督としても一流の成績を残した大きな理由の1つであることは間違いありません。特に、負けたり、失敗したりする場合、「環境が悪かった」「不運だった」と、人のせいにする選手は決して伸びないという指摘は、その通りですし、経営者についても全く同じことが言えると思います(多くのCEOは「業績がよかったのは自分のおかげ、悪かったのは環境のせい」にするバイアスがあるという有名な研究もあります 注1)。

(注1)Staw, B.M., McKechnie, P.I., & Puffer, M. 1983. The justification of organizational performance. Administrative Science Quarterly. 28: 582-600.

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「「自分で気づく」から自分を変えられる」の著者

清水 勝彦

清水 勝彦(しみず・かつひこ)

慶應義塾大学大学院教授

東京大学法学部卒業。ダートマス大学エイモス・タックスクール経営学修士(MBA)、テキサスA&M大学経営学博士(Ph.D)。戦略系コンサルティング会社のコーポレィトディレクションを経て研究者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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