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広告代理店と大物政治家と通販サイトの共通点

2014年10月24日(金)

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すべての顧客をVIPであるかのようにもてなすことができれば、収益は拡大する。ビッグデータの活用がマーケティングをいかに変えていくかを、ビッグデータのビジネス活用に詳しい野村総合研究所ICT・メディア産業コンサルティング部の鈴木良介氏が解説する。

すべての顧客がVIP になる

 すべての顧客をVIP であるようにもてなすことができれば、あなたの会社の製品やサービスはよりよく理解され、収益が拡大する。顧客をVIPであるかのように理解し、よりよい施策を講ずるための技術が身近なものになってきている。本稿ではそのような技術を総称してマーケティングテクノロジーと呼ぶ。広義には、インターネット広告の配信最適化なども含まれるが、本稿では、今後本格的な浸透が期待される物理空間における施策の高度化に寄与するテクノロジーを中心に取り扱う。

 そもそも、王侯貴族や、世界有数のアーティスト、スポーツ選手、時の権力者といったVIPはどのような接遇を受けているのだろうか。

 接遇のプロである広告代理店は、世界的なアーティストが来日した時には、その奥様の買い物に社員を同行させ、買い物をする様子を事細かに観察するように指示を出した。そして、帰り際に買わなかった商品をまとめてプレゼントしたという。

 また、人付き合いの天才と言われた大物政治家は「目配り」「気配り」「金配り」に長けると評された。政敵も含めた、周りの人たちが何に困り、どうしたら喜ぶのか、便宜を計ってもらったときにそれが負担にならないように思わせるためにはどのようにしたらよいか、ということを考え抜いて振る舞ったという。

目配り、気配り、金配り

 「目配り」「気配り」「金配り」という観点でみれば、広告代理店による夫人への対応と、政治家の振る舞いは、同じ構造だ。大物政治家のフレームワークを用いて、広告代理店の施策を分解すると、「買い控えた商品に『目配り』をし、本当は欲しかったであろうと『気配り』をする。そして、プレゼントという名の『金配り』をした」と整理できる。

 このような話は、一般庶民には関係のないことに見えるかもしれない。しかし、我々も既にこのような接遇を受けるようになっている。例えば、EC(電子商取引)サイトだ。

 EC サイト事業者は、我々がどのような商品に興味を持ったのかを知るべく閲覧履歴を集め、そのデータに基づいて関心を持たれそうな商品をお薦めする。「閲覧履歴の収集」は「目配り」であるし、「データに基づくお薦め」は「気配り」だ。

 金を配ってしまっては商売にならないが、関心を持ちそうな商品のクーポンを配信することはままある。これは「金配り」の一種である。

 EC サイトをはじめとしたサイバー空間において、このような取り組みをできる最大の理由は「コストの低さ」である。顧客一人ひとりに、それぞれ店員を張り付けていたのでは不経済だが、サイバー空間では顧客の振る舞いは自動的に記録される。すなわち、「目配り」のコストがゼロに近い。

 「気配り」すなわち商品推奨の仕組みも、ひとたび構築されれば、お薦めすることに店員の時間給が発生することはない。また、数多くの店員に業務プロセスの変更を徹底する手間も必要ない。

 米アマゾン・ドット・コムや楽天に代表されるEC サイト事業者がこのような取り組みをしていることは広く知られている。「なにを今更」と感じる人もあろう。では、なぜ改めて「目配り」「気配り」「金配り」のためのテクノロジー活用に注目する必要があるのだろうか。

 その理由は、このような施策が、EC サイトに代表されるサイバー空間だけでなく、店舗などの物理空間でも実行されるようになってきたためだ。物理空間において「目配り」「気配り」をするためのセンサーやデバイスのコストパフォーマンスが高まりつつあることが、このような施策の推進を後押ししている。

 本稿では、物理空間におけるマーケティングテクノロジーの萌芽事例として、どのような業務でどのようなテクノロジーが用いられ、どのような便益をもたらしているのかを概括する。以下に、流通業、製造業における施策を中心に取り扱う。

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「ビッグデータ時代の「目配り」「気配り」「金配り」」のバックナンバー

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「広告代理店と大物政治家と通販サイトの共通点」の著者

鈴木 良介

鈴木 良介(すずき・りょうすけ)

野村総合研究所 主任コンサルタント

情報・通信業界に係る市場調査、コンサルティング、政策立案支援に従事。近年は、ビッグデータの効率的かつ安全な活用が事業活動の高度化や社会課題の解決にもたらす影響を検討している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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