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兄貴が独り占め? そんなことあり?

「特別受益」「寄与分」を主張できるが泥沼に

2015年4月16日(木)

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 先日お母さんが亡くなったというBさん(56歳)から相談を受けました。お母さんはがんを患い、治療期間も長かったという事情があるため、ご自身でも覚悟をされていたのか、きちんと公正証書で遺言書を作成していて、お母さんが亡くなって間もなく、遺言執行者を名乗る弁護士から相続人全員に連絡があったとのことでした。Bさんのお父さんは、お母さんが亡くなる12年程前に他界しており、相続人はお母さんが亡くなった時点で、Bさんの兄のAさん(65歳)と妹のC子さん(50歳)の3人とのことでした。

すべて「療養で世話になった長男Aに」との遺言

 相談に来たBさんが持参した公正証書遺言を拝見すると、亡くなったお母さんの遺産には、預金やら都心の土地やらがあって、相続財産の評価額は合計7000万円ほどでした。

 しかし、そのすべての土地及び現金は、お母さんと一緒に暮らしていた「長男であるAさんに譲る」と記載されており、その理由として、付言事項に「長男Aには、療養などで長年世話になったから、すべての財産を譲るものとする。兄弟助け合って仲良く暮らすことが私の望みです」と記載されていました。

 Bさんの話によると、兄弟仲は決して悪くなく、また、お母さんはAさんの自宅で長期間療養しており、晩年は、ほぼ寝たきりで痴呆の症状も始まっていたため、その介護の大変さも重々承知はしているので、できるだけお母さんの意向には沿いたいとのことでした。

 しかしさらに、話を聞き進めると、Aさんが、お母さんを引き取った自宅を建てたのは、今から10年以上前で、自宅を建てるときにAさんはお母さんから2000万円ほど、援助を受けたと聞いたことがあるとのことでした。

 そうすると、Bさんとしては、長男であるAさんがお母さんを引き取ったことは当然であって、それにもかかわらず、今回の相続ですべての財産を独り占めなんてなんかおかしいような気がする、何とかなりませんか、という相談でした。

遺言によって不動産の共有問題は回避

 本件のような場合、もし、遺言書がない場合、相続人であるAさん、Bさん、C子さんの3人で均等に財産を分けることになります。

 3等分と、口で言うのは簡単ですが、本件のように土地建物のような不動産がある場合は、AさんとBさんとC子さんの共有の状態になります。

 共有というと、境界線でも引いて、ここから先はAさんのもの、そこから先はBさんのもの、あそこから先はC子さんのものとか、3階建ての場合は1階はAさん、2階はBさん、3階はC子さんとすればよいのではないかと思うかもしれませんが、共有者はそれぞれが共有物の全体を使用する権利を持っているので(使用収益権といいます)、他の共有者に対して「ここから先に入るな」と主張することはできません。

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「兄貴が独り占め? そんなことあり?」の著者

西原 正騎

西原 正騎(にしはら・まさき)

弁護士

インテグラル法律事務所パートナー弁護士。中央大学法学部、立教大学法科大学院卒。東京弁護士会所属、NPO法人遺言相続リーガルネットワーク所属。日本弁護士連合会若手法曹センター事務局幹事。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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