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第1回:ワインは人生を楽しむための財

2015年5月14日(木)

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 ビジネスパーソンにとって、「ワイン」は身近になったとはいえまだまだ知らないことが多くないでしょうか?「だけど、素朴な疑問をだれに聞いていいか分からない…」――。そんなふうに思っていらっしゃる方に代わって、MBAの学生がざっくばらんに田中滋先生に質問します。慶應ビジネススクールで長く教鞭をとられ、知る人ぞ知るワイン通の田中先生の味わい深い回答をご堪能ください。

*    *    *

先生
田中滋先生
慶應義塾大学名誉教授。日本における医療・介護・地域包括ケア分野における政策論の第一人者。政府関係の役職も多い。大学院生時代、テレビ番組「クイズグランプリ」のグランドチャンピオンとなり、副賞のヨーロッパ旅行がワインとの運命的な出会い。東京のフレンチレストランやワインバー業界の一部では田中先生を知らなければ「もぐり」と言われる?
生徒(慶應ビジネススクール=KBS修士2年、当時)
小河泰史君
アクセンチュア、リクルートを経て、現在在学中に起業したリフォーム仲介グローバ代表取締役社長。
小田英毅君
本田技研工業出身。ペンシルバニア大学ウォートン校への交換留学を経て、4月より大手証券会社M&A部門勤務。
金原幸作君
三菱UFJモルガン・スタンレー証券よりKBSに派遣。4月より派遣元に復帰。
土田麻梨亜さん
シティバンク、監査法人トーマツを経てKBSに。1児の母。5月より外資系戦略コンサルティングに勤務。
萩野早さん
前職はウェブマーケティングを得意とする広告代理店営業。4月よりライオン海外事業部勤務。
平井伸幸君
KBSのために休職した大手精密機器メーカーに4月より復帰。ベルギーのSolvay Brussels School-Economics & Managementに交換留学。
清水勝彦先生
慶應義塾大学ビジネススクール教授。戦略コンサルティング、テキサス大学(テニュア取得)を経て、2010年より現職。

田中先生のワインの始まり

小河:先生がワインの勉強を始めたきっかけは何だったのですか?

田中先生:ワインがいかにおいしいお酒かを、1974年にヨーロッパに行って知ってからですね。2週間のヨーロッパ旅行が賞品として有名だったクイズ番組で優勝できたのです。

 当時のヨーロッパ旅行がいかにすごい賞品だったか。まだ成田空港は開港しておらず、たかだか2週間の旅行のために、羽田空港に親族20人が見送りにくるような時代でした。その旅行がワインとの最初の出会いになりました。

 それまで日本の普通の家庭にあったワインは、「赤玉ポートワイン」が代表的だったように思います。「滋養のために」と養命酒のように小さなキャップに入れて、お年寄りが寝る前に一口飲む。それがワインだと考えていた人も多かったのではないかな。もちろん本当のワインをご存じの方もいたと思いますが、普通の市民にとってワインとはそんなものでした。

 ヨーロッパで衝撃を受けた点は、コース料理の皿ごとに違うワインを合わせ、専門職としてのソムリエが一つひとつ説明してくれる、深い広がりをもったお酒だということです。面白そうだなとは感じましたが、実際に自分でワインを買い始めた時期はそれよりずっと後、助教授になって財布に少し余裕ができてからです。

萩野:ワインはワインスクールのようなものに通って学ばれたんですか?

田中先生:実地です。まだワインスクールなど存在していなかった。大きな変化は1980年代に東京の街中にフレンチレストランが次々と開店し始めたことです。それまで一部の例外を除いて高級レストランは一流ホテルの中にあった。そこではテーブルに初めからナイフやフォークが並んでいる英国上流階級風サービスが一般的だった。

 それに対し、アピシウス、ひらまつ、オテル・ドゥ・ミクニ、シェ・イノなど、今でも続くフレンチレストランが成功し始めたのが80年代半ばです。

 もう少し歴史の長いロオジェや、現在はなくなってしまった名店ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョーなどのお店にも行くようになって、スタッフに教えて頂きました。あちらも日本に本当のフレンチとワインを広めようと熱く語る人たちだったから、熱心な客に教えることが楽しかったのかもしれません。

平井:日本のワイン黎明期から勉強されていたということですね。

田中先生:黎明期は明治時代でしょう。1980年代は普及期ですね。良い店の特徴は、寿司や天ぷら業界もそうですけれど、そこで育った人がやがて新たにできる店の優れた店長や料理長、ソムリエなどになっていくことです。そういったフレンチレストランの始まりの頃からお店と親しくなれたことは、ワインが好きになるよい刺激となりました。

ルールはどれほど大切か?

金原:ワインというと、すごくきちんとした厳しいルールがあって、それにのっとって味わわなければいけないという先入観がありますが、その点はいかがでしょうか?

田中先生:そんなことはありません。自由で結構。経済学用語を使うと、ワインは人生を楽しむための財にあたります。財の機能は、生活必需品として求められる財、安心のための財、便利さのための財など、色々と分類できます。人は目的に応じた財を、予算制約を勘案しつつ購入します。

 ワインは人生を楽しむための財なので、どんな風に、どんな点に価値を置いて求めるのかという「今宵の気分」に応じて、自由に楽しんで飲めばいいのです。村の収穫祭で樽から直接注いで飲んだっていいのかもしれない。イタリアで大ママの料理を大家族でテーブルを囲んで食べる日常消費用であれば、ボトル1本500円程度のワインだったとしても、皆で語り、歌いながら飲むワインは格別な幸せをもたらすでしょう。

 一方、高級レストランで食事をする場合には、シチュエーションも異なり、会話の内容が知的になったり、主賓が何を望むかを察する気配りも大切だったりする。料理ごとの組み合わせも重要になり、選び方はもちろん、ワイン種別や生産年ごとに抜栓のタイミング、グラスの形、温度、注ぎ方などに関して培われた知恵もたくさん存在します。

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「第1回:ワインは人生を楽しむための財」の著者

田中 滋

田中 滋(たなか・しげる)

慶應義塾大学名誉教授

慶應義塾大学名誉教授。日本における医療・介護・地域包括ケア分野における政策論の第一人者。政府関係の役職も多い。大学院生時代、テレビ番組「クイズグランプリ」のグランドチャンピオンとなった。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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