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二世帯住宅の悲劇

ここは私の家じゃないの?

2015年5月28日(木)

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 この頃は、二世帯住宅に住んでいる方を時々見かけます。1階と2階で玄関が別々になっていて、1階にはおじいちゃんおばあちゃんが住み、2階には息子や娘家族が住む形式の住宅です。

 玄関が別々になっていますから、それぞれ干渉されることなく、気楽に生活ができるうえ、間近に住んでいるわけですから、何かあった時にはすぐに助けてもらえる。まさにいいことずくめ。おじいちゃんの退職金で建築代金を半分負担し、残り半分を息子がローンで負担して、古くなった実家を建て直せば、無理なく立派な二世帯住宅が建てられることでしょう。

 長男であるAさんも、父親とお金を出し合って古い実家を二世帯住宅に建て替え、快適な生活を楽しんでいました。ところが、母親と父親が相次いで亡くなり、別の場所に住んでいる弟との間で相続問題が持ち上がってしまいました。

 Aさんは、ここで初めて、自分たち家族が住んでいる2階部分も遺産分割の対象となり、場合によっては家を出ていかなければならないことを知り、茫然自失になったのです。

2世帯住宅の所有権

 Aさんにしてみれば、建築費も半分自分が負担しているわけですから、自分たち家族が住む2階は当然自分のものだと思っていました。ところが、それは大きな勘違いです。

 こういった2世帯住宅の場合、家の所有権は、建築費を出し合った父親と長男の2人で1/2ずつの共有になっているのが一般的です。ここで共有というのは、1階を父親が所有し、2階を長男が所有しているという意味ではありません。あくまでも1階と2階は合わせて1個の建物であって、1個の所有権を父親と長男が共同して持っているということになるのです。

 このため、父親が生活していた1階部分についても長男は1/2の権利を持っていることになりますし、その反面、長男が生活している2階部分については、父親も1/2の権利を持っているわけです。Aさんの自宅は、まさにこのケースでした。このため、父親が亡くなった今、Aさんがこれまで自分の家だと思ってきた2階部分についても、相続をめぐって弟と争わなければならなくなったわけです。

区分所有建物にする方法

 Aさんが自分たちの住む2階部分の権利を確保しておくための方法としては、二世帯住宅を建築した際、区分所有建物として登記し、1階部分はお父さんの所有、2階部分はAさんの所有として登記しておく方法があります。

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「二世帯住宅の悲劇」の著者

長家 広明

長家 広明(ながや・ひろあき)

弁護士

1963年神戸市生まれ。早稲田大学法学部卒。第一東京弁護士会所属。インテグラル法律事務所パートナー弁護士 、日本弁護士連合会高齢社会対策本部委員、NPO法人 遺言・相続リーガルネットワーク事務局長

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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