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和の価値を再発見し、活用する

  • 下川 一哉

  • 今井 丈彦

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2006年4月3日(月)

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 日本経済が再生の階段を上り始めると同時に、色の世界にも変化が表れた。「和」の色をまとったプロダクトやパッケージが増え、和を前面に押し出すブランドも出現している。しかもそうした製品やブランドは単なる懐古調のものではなく、次代の豊かさを先取りしたメッセージを発している。

 その背景にはいくつかの要因がある。1つは、社会背景として日本人が自信を取り戻しつつあること。また、スローライフといったライフスタイルの中で、和の価値が再認識されるようになった。そして何より、上質の和が本来持つ豊かな価値を活用することが、日本ブランドの競争力を高めるうえで、有効な戦略であることに気付き始めた。和の色に注目し、商品戦略に活用した事例を紹介する。

コンセプトに和を取り入れ、独自の“表参道”を表現
表参道ヒルズ「和のブランド」

 海外のブランドショップの林立によって、ここ数年、大人が戻ってきたと言われる東京・表参道。この街のランドマークの1つだった同潤会アパートが再開発され、商業施設を中心に住宅や駐車場を組み合わせた複合施設としてこの2月11日に開業した。スパイラルスロープを主動線に取り入れた商業ゾーンは、表参道地区の新しいランドマークになるに違いない。

 この商業ゾーンがターゲットとするのは、やはり大人。日本初出店の海外ブランドショップをそろえる一方、既存の商業施設との差異化を図るため、ブランドイメージや商品政策に「和」を取り入れ、それらを国際市場に向けて発信しようとする店舗や飲食店をテナントとして誘致している。そうしたショップやレストラン、カフェは、インテリアやパッケージ、製品などのデザインに新しい和の色やテーストを取り入れ、さまざまな文化や価値観を持つ消費者に向けて、自らの存在感をアピールする。ある意味で、ここ表参道ヒルズには、最先端の和のデザインが集結している。

伝統をカラフルで楽しく再表現

はせがわ酒店の「180ミリリットル・レトロラベル」。若い層への訴求も狙ったパッケージ
はせがわ酒店の「180ミリリットル・レトロラベル」。若い層への訴求も狙ったパッケージ

 都内で日本酒ショップや飲食店を展開する長谷川酒店は、日本酒ブティック&バーとして「はせがわ酒店 表参道ヒルズ店」をオープンした。白を基調としたインテリアは、日本酒を売るショップや飲食店としては、かなり明るい雰囲気と言える。ここで売られる商品の特徴は、全国の酒蔵で少量醸造される本格的な純米酒や吟醸酒であることに加え、ボトルのサイズを720ミリリットル以下に限定している点だ。

 特に注目したいのは、はせがわ酒店が全国27カ所の酒蔵と共同開発した「180ミリリットル・レトロラベル」。本格的に醸造された日本酒でありながら、イメージが新しく明るく、しかも手軽さを備えている。少量サイズのボトルを採用し、かつて使用されたラベルを復刻するだけでなく、明るく大胆な色のボトルやキャップと組み合わせることで、新しい和の表現に挑んでいる。

TORAYA CAFEのインテリア
TORAYA CAFEのインテリア(写真:寺尾豊・日経BP社、以下、*の写真)

 日本の伝統的な食文化を現代にライフスタイルに置き換える試みは、和菓子の世界にも見られる。両口屋是清が出店した和カフェ「R style by 両口屋是清」や虎屋のカフェ「TORAYA CAFE」のインテリアデザインやパッケージデザインの中にも、新しい和のエッセンスを感じる。「単なる和洋折衷ではなく、和の価値を再確認する作業から始めている」(虎屋の三村茂樹・取締役広報部長)からだろう。

伝統工芸にも新色を取り入れる

エフィー・ギャラリー・アンド・ショップ
エフィー・ギャラリー・アンド・ショップのオリジナル商品。美濃焼の産地と共同開発した器は、新しい和の発色とテクスチャーが特徴。杞柳細工のかごも現代風のバッグにアレンジした(*)

 efffy Gallery & Store(エフィー・ギャラリー・アンド・ストア)は、オリジナルデザインのインテリアとバッグをメーンに扱うショップ。ここでは、伝統工芸に新しい色を吹き込んだ製品を開発し、オリジナル商品として店頭に並べている。赤く色付けされた美濃焼の器は、垂直方向に細い線を刻まれることによって、独特の淡いピンクの発色を得るとともに、和の器としては新しいテクスチャーを獲得している。兵庫県豊岡市の伝統工芸「杞柳細工」と共同開発したかごバッグも、伝統の技で編み上げられたかごに、大胆な色やウッドビーズなどを取り入れ、現代的なファッションアイテムに仕上げられている。

中川政七商店
中川政七商店の「粋更」のオリジナル商品(*)

 麻製のテキスタイル小物を扱う中川政七商店が出店した「粋更(きさら)」にも、オリジナル製品のほか、小泉誠氏や桐本泰一氏らがデザインした道具や器が並ぶ。企画展「小さな贈りもの展」(2月11日~28日開催)では、現代的な色使いやフォルムをまとった伝統工芸品は、それぞれにデザインされた和紙製のパッケージ「折方(おりかた)」に包まれてユーザーの手に渡った。

 JAPANブランド育成支援事業などの助成制度を活用し、さまざまな伝統工芸や地場産業の作り手が、多くのデザイナーと手を組んで、新しいモノ作りに挑んでいる。新しい和の色や形に挑むデザイナーや職人も少なくない。しかし、一方で、売ることに頭を痛める産地は多い。世界に発信する和をコンセプトにした大型商業施設やそこに出店するショップが、そうしたモノ作りの受け皿の1つになることは間違いない。表参道ヒルズは、そうした新しい産業の台頭を実感できる場でもある。

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「和の彩りが市場を開く」のバックナンバー

  • 2006年4月3日

    和の価値を再発見し、活用する

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