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通信・ソフトで相次ぐ巨大合併
日本が小さく見える

  • 渡辺 弘美

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2006年4月28日(金)

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 米国の調査会社451グループ社の調べによれば、北米市場における昨年の情報通信分野でのM&A(企業の合併・買収)総額は3390億ドルに上るという。現在の為替レートで換算すると、ざっと40兆円。これはNTTドコモ5個分の売買が行われたことを意味する。自社に必要な技術、サービス、顧客を手に入れ、不要なビジネスをさっさと売却する。新陳代謝の激しい米国経済を象徴する動きだ。

 まず、ソフトウエア・ITサービス分野の大型M&Aとしては、米オラクルによる米ピープルソフトの買収(103億ドル)、米シマンテックと米ベリタスの合併(135億ドル)の2つが記憶に新しい。北米市場では、ソフトウエア分野は344億ドル、ITサービス分野は323億ドルのM&Aが昨年中に成立した。

 今や米国ソフトウエア市場で生み出される利益は、米マイクロソフト、米オラクル、独SAPがその8割を稼いでいると言われており、寡占化が進んでいる。今後、ネットを使ったソフトウエア提供サービス(Software As A Service)のように、形を変えたソフトウエアビジネスが本格化するにつれ、業種を越えたM&Aで新たなビッグプレーヤーが現れるかもしれない。

 これに対して、日本の情報サービス市場は、1社当たり20億円程度の売上高の企業が7000社もひしめきあっており、ビッグプレーヤーがなかなか現れない。先進国からのソフトの輸入、中国やインドへのIT関連業務のアウトソーシングにより、日本は大幅な輸入超過国である。

 今後はソフト分野でも、自動車メーカーのように北米市場で名を上げる日本企業が誕生しないものだろうか。組み込みソフトなど海外展開が有望視されている数少ない分野に期待したい。

官民挙げてビッグプレーヤー作りを促す米国

 次に通信分野だが、こちらも依然として、活発なM&Aが続いている。昨年は総額1950億ドルのM&Aが成立した。1885年のAT&T創設以降、米国では、独占から分割・解体の時代を経て、再び、寡占の時代を迎えつつある。最近の大型M&A案件には米連邦通信委員会や司法省も容認する姿勢を見せており、官民挙げて、ビッグプレーヤー作りを促す風潮がある。

 この分野におけるM&Aの狙いは、日本と同様、虎の子である携帯電話ビジネスの囲い込みにある。昨年、AT&Tを160億ドルで買収し、歴史あるAT&Tの冠を新会社に付けた米SBCコミュニケーションズ。同社はさらに今年、米国南部に強い米ベルサウスを670億ドルで買収した。

狙いは、固定網の提供エリアを拡大すると同時に、携帯電話の権益を広げることにあった。ベルサウスはSBCとともに、全米最大の携帯電話会社、シンギュラー・ワイヤレスの株式を保有している。そこでベルサウスを買収することで、シンギュラーに対する支配権を強化した。

 一方、米国東海岸に強いベライゾン・コミュニケーションズは新生AT&Tへの対抗策を思案中だ。まずは、英ボーダフォンとの間で、同社が持つ大手携帯電話企業ベライゾン・ワイヤレスの45%の株式を買い取る交渉をしている模様。これが実現すれば、次は、昨年、ベライゾン・コミュニケーションズとの間でMCIの買収合戦(67億ドル)に敗れたクエスト・コミュニケーションズ・インターナショナルを買収するのではないかと見られている。通信業界はまさに生き馬の目を抜くようなM&Aが続いている。

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