日産自動車の収益力が頭打ちとなっている。25日に発表した2006年3月期決算は連結純利益が前期比1.1%増の5180億円と6期連続で最高を更新したものの、日産ディーゼル工業(
)株の売却益でかろうじて増益を確保したものだ。世界販売も期首に掲げていた362万台の目標は、日本などの不振で約5万台ショートした。前期から始まった新中期計画「日産バリューアップ」(2005〜07年度)の初年度は多難を予感させるスタートとなった。
前期は営業利益も1.2%の増益にとどまり、経常利益は1.1%の減益と2001年3月期に黒字転換して以来の増益が6期ぶりに途絶えた。純利益は2004年3月期に5000億円台に乗せた後、足踏みが続いている。今期予想も0.9%増の5230億円にとどまり、2期連続でライバルのホンダ(
)の後塵を拝す見込み。
バリューアップ計画の1つのコミットメントである「業界トップレベルの営業利益率維持」は確保しているものの、2005年3月期の10%から前期は9.2%、今期予想は8.7%と低下する。
「値引きで売り支えるのは破壊的行為」
カルロス・ゴーン社長は前期を「逆風と激動の1年」と振り返った。原材料費の高騰や米国の金利上昇、原油価格の上昇による販売車種構成の悪化などに見舞われたというわけだ。日産にとってはバリューアップ計画中では最も新車投入が少ない「谷間の年」でもあった。
北米では米大手2社の経営危機が契機となったインセンティブの積み増しによる値引き販売が収益抑制に作用した。「利益ある成長」を最重視する日産にとってもその影響は免れない。
ゴーン社長は25日の会見で、北米を中心としたインセンティブ競争の激化に対し、「自動車業界は価値創造でなく台数を追求する傾向がますます強まっている。クルマを商品力でなく値引きで売り支えるのは破壊的行為」と苛立ちを示した。
さらに「自動車は崇高で高尚な商品なのに、多くの会社は日用品のように安売りしている」とも指摘、北米では「全員がインセンティブ競争に参加している」が、日産は利益重視のため自ら値引きに走るのでなく「受け身で行く」と強調した。
次ページ以降は「日経ビジネスオンライン会員」(無料)の方および「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみお読みいただけます。ご登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。










