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「いざなぎ」超えは本物か、町工場の設備投資に見る好景気の中身

2006年6月5日(月)

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 日本の景気は好調で、戦後最長と言われる「いざなぎ景気」を長さで超えそうな勢いだという。あまり実感はないが、統計を見ればそう言えそうだ。設備投資関係で言えば、例えば工作機械受注は、2003年は対前年比26%増、2004年は45%増、2005年は10%増と好調に増え続けている(資料:日本工作機械工業会)。

 内容は、内需と外需だ。国内向けにも海外向けにも売れている。

 国内向けに売れているのは、当たり前だ。日本の中小企業の社長は、「設備投資しないと、将来やっていけないぞ」とみんな思っていた。理由は2つ。

新鋭機を買わざるを得ない理由

 1つは短納期だ。納期がむちゃくちゃ短くなってしまった。昔は3カ月ぐらいかかって納めていた金型が「2週間で持ってこい」、1週間ぐらいかかって納めていた部品は「明日、持ってこい」となってきた。サイクルがものすごく早い。急いで作らなければいけない。

 もう1つはコストダウンだ。「中国並みの値段でやらないと、おまえの会社には注文を出さないぞ」と脅かしまくられている。とにかくコストダウンしなければならない。

 そうすると、短納期とコストダウンの2つをやっていくためには、最新鋭の機械を買うしかない。今までの3分の1の時間で加工できたり、ワンチャック加工(一度工作機械に取り付けたら、機械が自動的につかみ直して、裏面も、底面も加工する)ができたりするような機械を導入し、24時間フル稼働でハイスピード償却、夜中は無人運転で人件費負担ゼロ…、という体制でやらなければやっていけない。

 だから町工場の社長は、皆が新鋭機を買おうと思っていた。金融が安定を取り戻し、受注も増えてきたとなれば、もともと機械が大好きな人たちだ。しかも5年ぐらい前から、新しい機械を買わなければやっていけないと思っていたから、パンフレットを取り寄せ、カタログを集めて、「新しい機械を買ったら、こういうふうに改造しよう。そうすれば、あの会社の注文も取れるぞ…」と、楽しみにしてきた。この人たちが買っている。売れるわけだ。

 外需も好調だ。やはり、世界中で生産革命が進展し、最新鋭の機械の導入はどこの国でも必要になっている。

 いずれにせよ、設備投資関係は長年の金融不況で抑制されていた反動もあって、高い水準で持続している。実際に町工場の社長さんたちと話をしても、「忙しいよ」という返事が多い。

一般消費も回復しつつある

 一方、一般消費はもう一つぱっとしなかったが、薄型テレビという大型製品の登場で活況を取り戻しつつある。1台20万~40万円で、しかも全家庭で需要がある商品だ。日本国内には1億台のテレビセットがあると言われているが、2011年の完全デジタル化で、アナログ型のテレビは視聴できなくなるというタイムリミットもある。

 メーカーは「激しい値下げ競争で全く儲からない」とぼやいているが、モノが動けば工夫の余地がある。また、部品産業、梱包材料、輸送等関連分野は、元が高額商品だけに波及効果が大きい。

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「「いざなぎ」超えは本物か、町工場の設備投資に見る好景気の中身」の著者

橋本 久義

橋本 久義(はしもと・ひさよし)

政策研究大学院大学名誉教授

政策研究大学院大学名誉教授。東大卒後、通産省入省、製造業担当。1994年埼玉大教授。97年政策研究大学院大学教授、2011年から現職。現場に近いところで行政を・学問を!をモットーに多数の工場を訪問。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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