猫も杓子も「Web 2.0(ウェブ・トゥー・ポイント・オー)」なこの状況。これを仕掛けた米オライリー・メディア(以下オライリー社)の提携先が、Web 2.0をテーマにしたイベントをやろうとした主催者に「Web 2.0はうちらの登録商標なんだから、イベント名に使ってはあきまへん」とクレームをつけたもんだから、そもそもWeb2.0は「参加・共有」がキーワードのはずだと英米のギーク(※)たちが荒れ狂った。
※ギークとは、言ってしまえば「コンピュータオタク」のこと。だが、ネットを前提にした新しい考え方、価値観、行動力を持っている人も多く、単なるマニアか、と侮るのは非常に危険(編集部)それは「Web 2.0ハーフデイ・カンファレンス」開催を2週間後に控えた5月24日。突然届いた、イベントのタイトルに「Web2.0」を使うな、と警告する文書だった。
2006年5月24日
IT@Cork社長殿
Re: 商標侵害について
サンドラ・L・グレイソン
シニアVP、法律顧問
―― CMPはオライリー・メディアと共にWeb 2.0カンファレンスを企画・製作し、2004年からこの会議の運営に携わっています。[中略]Web 2.0はライブのイベント(IT関連の業界ショー・展示会・ビジネス会議・勉強会の設営・運営)に対しCMP社がサービス商標出願中の案件。事前の許可無くイベント名に無断で使用することは当社の独占権を阻害し市場に混乱を招く行為に相当します。また、"What is Web 2.0?オライリーの言い分を読もう"という宣伝文句はティム・オライリーが書いた記事 「What is Web 2.0」 を連想させます。この記事で「"Web 2.0"はオライリーがメディア・ライブ・インターナショナル(CMPはその権利の後継者)とブレインストーミングする中から始まった概念」と明記されているのは皮肉なことです。かかる行為は不当な商慣行・不公平な競争であり、CMPの商標権を阻害する悪質な行為。Web 2.0を行事の名称に使用することは即刻中止し、当社の商標は今後使用しないことを要求します。これに同意する旨、書面にて10日以内にご提出下さい。――
(受取人団体代表がウェブに公開した現物)「このイベントで、ティム・オライリー氏に講演を依頼して断られたのは2月だ。つまりティムは(このイベントに「Web2.0」という名が冠されることを)知ってた。それを何故この開催2週間前になって…」
IT@Corkのトム・ラフテリー委員は我が目を疑った。
「Web2.0が商標?」とネットで大反発
差出人はCMP。オライリーと業界最大のイベント「Web 2.0カンファレンス」を毎秋企画運営する企業だ。受取人はIT@Cork。この会員参加無料の、半日勉強会を主催するアイルランド第2の都市コークの非営利団体だ。
C&D(Cease and Desist=中止&断念)は訴状の前段階に送る非公式な警告文書。「こんなの出版業界ではしょっちゅうだよ」と同社のオラリーCEOは釈明スレッドに書いたが、個人や零細な団体には打撃が大きい。
弁護士の相談料もない人は「こんなの来たけど、みんなどう思う?」と、とりあえずブログに公開して様子を見たりする。法文書だから公開は問題ない。
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