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コンピューターが見つけ出した
「中央道拡張」のムダ

経営シミュレーションと日本の高速道路

  • 宮田 秀明

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2006年7月7日(金)

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 3年前、私は学生と一緒に東名高速道路の上を横切る陸橋から、高速道路の様子をビデオ撮影していた。静岡市と清水市の中間辺り、茶畑の近くだった。目的は、映像から高速道路を走る自動車の速度と車間距離の関係を探り出すこと。映像を使って様々な事象を解析する、このような研究手法を自然科学では画像解析と呼ぶ。

 東名高速道路を走る車の速度は、時速60キロから時速140キロの間でほぼ正規分布を示す。最近利用が増えてきたETC(自動料金収受システム)対応の料金所ゲートは「時速20キロ以下で走行」と指示されているが、実際に車の速度を調べてみると、時速40キロを中心に時速20キロから時速60キロの間に散らばっており、やはり正規分布になった。

高速道路サービスの本質とは

 この調査は、2002年に当時の道路公団の要請と協力を受けて始めたものだった。高速道路の経営をシミュレーション技術によって科学的に行うのが目的である。高速道路は一種のサービス業で、サービス内容は比較的単純だ。利用者が短時間で移動することを助ける、つまり“時間価値の提供”が高速道路サービスの本質である。

 日本人の平均的な時間価値は1時間当たり2500円。乗用車には平均1.3人乗車している。こうしたデータを使えば、時間価値を定量化して評価することができる。例えば、鉄道の駅や空港から目的地までタクシーとバスのどちらを使うか。タクシーに乗ると30分早く着くことが予測される。だが、タクシー料金はバス料金よりも2000円高い。この場合、タクシーを選ぶ人の時間価値は1時間当たり4000円以上で、平均よりも時間価値が高いと言えるわけだ。

 今や、全国7000キロメートルを超える高速道路ネットワークをそのままコンピューター上で表現することはそれほど難しくなくなった。多くの車に搭載されているカーナビは、まさにそれである。道路の車線数やインターチェンジなどの情報を加えて、高速道路網をグラフィックス表示するのはコンピューターの得意技。渋滞情報だってリアルタイムに配信される時代になった。

 コンピューター上に表現した仮想の高速道路に、1日400万台の車を走らせ、交通の流れ(フロー)を作ると、現実とほぼ同じ道路交通の様子が再現される。これがシミュレーション技術である。

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