「武谷匡城の「数字で見る自動車業界の未来」」

代替燃料「バイオエタノール」は普及するか

資源供給国としてブラジルに注目が集まる

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2006年8月22日(火)

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 前回は「究極の低公害車」と期待されている、水素を用いた燃料電池車の現状について述べた。では、いわゆる代替燃料はどうなのだろうか。代替燃料として現在考えられるものには天然ガス、ジメチルエーテル(DME)、そしてバイオフューエルなどがある。このうち、最近脚光を浴びているのがバイオフューエル、特に植物よりエタノールを精製するバイオエタノールである。

 バイオエタノールは植物由来の燃料なので、原材料となる植物が生育する過程で二酸化炭素(CO2)を吸収する。燃焼により発生するCO2はこれと相殺するため、地球温暖化対策の切り札として期待されている。現在アメリカを賑わしているのは、ガソリンに対してエタノールを85%混合した「E85」という燃料だ。エタノール100%ののことは「E100」とも言う。

北米ではバイオエタノールは普及しない

 グラフはブラジルにおけるE85、もしくはE100に対応する車両の生産台数と、そのシェアの予測を示したものである。ブラジルではエタノール対応車両が急増してきており、今後も拡大するとCSMワールドワイドでは予測している。一方、北米ではエタノール対応車両は伸び悩むと筆者は考える。両地域における異なる傾向の背景には、バイオエタノールが現在抱えている課題が隠されている。それは主にコストと供給能力だ。

 異なる燃料の価格を比較する場合、同じ熱量当たりの価格に換算して比較するのが一般的である。その条件でガソリンとバイオエタノールを比較すると、バイオエタノールが最も普及しているブラジルでも、2003年末時点でE100の価格はガソリンと同等か、バイオエタノールの方が若干有利という程度である。

 米国での同時期におけるE85の価格はガソリンより1割以上も高く、一般消費者にとってはE85対応車両購入のメリットはない。このように、現在ブラジル以外ではバイオエタノールは製造コストが高く、ガソリンに対して価格競争力がないことが、一般消費者への普及に対する課題となっている。

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著者プロフィール

武谷 匡城(たけたに・まさき)

武谷 匡城

CSMワールドワイド 自動車生産フォーキャスト・ディレクター
1961年広島県生まれ。広島修道大学商学部卒業後、日系自動車部品メーカーの日米拠点で営業企画・事業開発などを担当。2000年に米国の調査会社, CSMワールドワイドに転身し、以来、現職を務める。米国ミシガン州在住。



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韓国・現代自動車が世界のトップ5入りする、ハイブリッド車のゆくえ、バイオエタノールは普及するのかなど、さまざまな動向を数字に基づき分析する。

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