「企業ユニバーサルデザイン取り組み度ランキング」

家をまるごとリモコンで操作する近未来

第2位 松下電工/第3位 松下電器産業

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2006年8月11日(金)

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 日経デザインは2年振りに、企業のユニバーサルデザイン(UD)への取り組みを測るランキング調査を実施した。

 松下電工松下電器産業(以降、松下電器)がそれぞれ2位と3位にランクインしたが、ここ数年の両者の取り組みを考えるなら、妥当な結果と言える。

 松下電器の中村邦夫・前社長は、UDが製品にもたらす価値にいち早く着目し、全社を挙げてモノ作りの中にUDの考え方を取り込む努力をしてきた。その成果が過去のランキングに表れている。日経デザインが実施したこれまでのUDランキングを見ると、2003年は松下電器が13位、2004年は松下電器が3位、松下電工が4位と、着実に順位を上げてきたことが分かる。

 そして、松下電器が、2003年12月に松下電工の子会社化を発表して以来、両社は、UDの取り組みでも共同歩調を取ってきた。松下グループは、AV(音響・映像)機器から白物家電まで幅広い製品群を手がける松下電器と住宅設備事業がメーンの松下電工、住宅事業のパナホームと合わせて、“家まるごとソリューション”を提供できる強みを持つ。松下グループにとって、UDはエコとともに、これら3つの企業のそれぞれの強みを統合し、横串を通す役割を果たすキーコンセプトとして重く見られている。

 松下グループがUDを重視する姿勢は今後も変わらない。中村前社長に代わって、2006年7月に就任した大坪文雄社長は就任会見で、顧客満足度を維持し、売り上げとブランドイメージを高めるための要素として、UDを含むデザインの重要性を強調した。さらに、今後、家まるごとソリューションでは、売上高3兆円に成長させると宣言した。

グループで規定を統一

 2005年11月、東京都江東区のパナソニックセンターの隣に、一軒の現代住宅が建設された。松下電器、松下電工、パナホームの技術と製品群を集めて、新しいライフスタイルを提案する「EUハウス」だ。ここでは、環境とUDをテーマに掲げて、既に発売済みの製品から2010年頃に実現できる未来の製品までを組み合わせて、松下グループが考える最新のライフスタイルを2階建て、床面積262平方メートルのスペースをフルに使って展示している。

2東京都江東区のパナソニックセンターの隣に立つ「EUハウス」
東京都江東区のパナソニックセンターの隣に立つ「EUハウス」。2階建て、床面積262平方メートルのスペースに松下グループのUD製品が展示されている

 例えば洗面台の「ラシス」は、洗面ボウル部に継ぎ目がなく、拭き掃除などの手入れを楽に行えるところに特徴がある。また、背の低い子どもなどでも無理なく使えるように、引き出し式のステップが装備されている。

 キッチンの上などの高い位置にある収納から内容物を目の高さまで降ろすことができるのが「ソフトダウンウォール」だ。モノの出し入れに、イスや踏み台に乗ることがあれば、落下や転倒によるリスクがつきまとう。ソフトダウンウォールを設置すれば、レバーを片手で引き降ろすだけで、2段の棚がゆっくり楽に目の高さにせり出してくる。

UDを必須条件としてV商品を開発

 2003年12月に、松下電器と松下電工がUDの協業をスタートさせてから、まず着手したのは、2社で異なっていたUDの規定の統一だった。その結果生まれたのが「ユニバーサルデザインの基本6要素」である。両社の規定の中から重複している部分を共通化し、住宅設備を手がける松下電工に特有な「移動と空間への心配り」を加えた。

 またグループのUDを推進する、「全松下ユニバーサルデザイン体制」が組織された。松下電工は、この体制に、松下電器の事業会社やほかのグループ会社とともに組み入れられた。

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著者プロフィール

太田 憲一郎(おおた・けんいちろう)

1970年、埼玉県生まれ。1994年、名古屋大学工学部応用物理学科卒業。同年、システム開発会社にシステムエンジニアとして入社、ECサイトや購買システムの開発などを担当。2000年、日経BP社入社。日経ネットビジネス編集を経て、2003年、日経デザイン編集に配属。携帯電話機をはじめとしたデジタル製品全般を担当。



このコラムについて

企業ユニバーサルデザイン取り組み度ランキング

もはや「UD(ユニバーサルデザイン)を導入している」というだけでは、先進的な企業として消費者からは支持されない。製品開発時のチェック方法、社内外への啓蒙、新分野へのUDの採用など、これまで以上に独自の取り組みが求められるようになってきた。日経デザインが実施したアンケートへの回答を基に、独自の取り組みを実施している企業の最新動向を追った。

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