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ボルボに聞いたエンジンの将来

  • 牧野 茂雄

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2006年8月31日(木)

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ボルボのクラブ副社長
エンジン/パワートレインの開発担当副社長を務めるデレック・クラブ氏

 今やガソリン価格の高騰は世界的な傾向だ。レギュラーガソリン1リットルの小売価格は、日本では150円に迫り、米国では平均約90円台に乗った。ドイツでは約200円という状況だ。同時に軽油価格も上がっている。消費者は生活防衛のために、企業はコスト削減のために、それぞれ「脱石油」の候補を物色している。一部の国ではエタノール(エチルアルコール)やバイオガスが普及しているものの、自動車の「マルチフューエル」化にはインフラ整備が必要となるため、なかなか進まない。

 その中でスウェーデンのボルボ・カー・コーポレーション(以下VCC)は、1980年代末から商品ラインアップのマルチフューエル化に取り組んできた。同じモデルにガソリン車、ディーゼル車、ガス系バイフューエル(2種燃料)車を用意し、昨年秋にはエタノールとガソリンを自由な比率で混合できるFFV(フレキシブル・フューエル・ビークル)を投入した。特別仕様ではないカタログモデルとしてすべて購入可能であり、スウェーデン国内では全ディーラーで取り扱っている。

 ボルボが考える自動車エンジンの将来とは? VCCでエンジン/パワートレインの開発担当副社長を務めるデレック・クラブ氏に聞いてみた。

なぜボルボは直列エンジンしか持たないのか

 「まず、過去の話をしておきましょう。ボルボ車がFR(フロントエンジン・リアドライブ=エンジンを車体前部に置く後輪駆動)だった時代は、直列4気筒/6気筒と、V型6気筒のエンジンでした。その後、モデルレンジがFF(フロントエンジン・フロントドライブ=エンジンを車体前部に置く前輪駆動)に変更されて、基本的にV型がなくなりました。現在は直列4気筒/5気筒/6気筒です」

ボルボのV80
世界に類を見ない直6横置きエンジンを搭載した「ボルボS80」。写真は特別仕様車の「V80」

 VCCは現在、すべての乗用車系モデルに直列エンジンを横置き搭載するレイアウトを採用している。クロスカントリー系モデルのXC90 には、例外としてV8が採用されているが、乗用車系ではV6さえ持たない。上級モデルS80では、世界に類を見ない直6横置きである。長い直6エンジンを横置きすれば車幅が広がるが、あえて直6横置きにこだわった。これには理由がある。

 91年に登場した850で直5横置きを採用した時の開発責任者だったダン・ベルビン氏は「フロントのクラッシャブルゾーン(つぶれしろ=衝突エネルギーを吸収するため効果的につぶされる部分)を確保するには、横置きした時にエンジン本体が車両前方側に突出してしまうV6は不向きだ」と私に語った。細長い直5エンジンなら、横置きにして「エンジンルームの車室側の奥に押し込むことができる」ということだ。

エンジンルーム
新設計のマルチフューエル対応エンジン。細長いエンジンを横置きにしているのは、クラッシャブルゾーンを最大限に確保するため

 衝突直前速度が高い正面衝突の際には、車体がつぶれてクラッシャブルゾーンを使い切ってしまうとエンジンが車室方向に押し込まれる。エンジンのような重量物は、エンジンルームの隔壁とその向こう側にあるダッシュボードを乗員方向に押し出す「凶器」となる。だから、クラッシャブルゾーンを最大限に確保するためには、細長いエンジンを車両中心線に対して直角に、つまり横置きにして、しかも「小さく収める」ことが重要だとVCCは考えた。

 「現在、我々は直列エンジンしか持っていません。しかも、ボディーに乗員のためのスペースを大きく取り、エンジンルームはどんどん小さくなっています。今、エンジンに与えられるスペースは、車両前後方向で言えば400ミリしかありません。それより前方は、すべてクラッシャブルゾーンとして使います」

フォード・グループの一員としてラインアップを構築

 衝突安全性へのこだわりはVCCの伝統であり、市場でも、その点が評価されている。クラブ氏はこう語る。「フォード・グループの中で我々が独自のブランドイメージを保っていくためには、あらゆる技術を安全性と環境に結びつける努力が欠かせません」。

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